GMとの協業から生まれた北米ホンダ初の量産EVが正式発表
いまやホンダの北米事業は、提携先のGM(General Motors)との協業を抜きには語れない。今回発表された「ホンダ プロローグ」は、ホンダとGMのパートナーシップから誕生した電動SUVであり、ホンダブランド車では北米初となる量産EVだ。すでに先行して発表されているアキュラブランドの「ZDX(ズィーディーエックス)」とは、兄妹車の関係にある。
プロローグは、GMが誇るパウチ型リチウムイオンバッテリー「Ultium(アルティウム)」とEVアーキテクチャー(第三世代グローバルプラットフォーム)をベースに、ホンダが独自の内外装デザインと運動特性、そしてホンダが誇る先進安全運転システム「Honda SENSING」を持つ。
全長192.0インチ(約4900mm)×全幅78.3インチ(同1989mm)×全高64.7インチ(同1643mm)、ホイールベースは121.8インチ(同3094mm)。日本では巨大ともいえるサイズ感だが、北米ではCR-Vとパイロットのあいだ、パスポートとほぼ同じくらいの中大型SUVに位置づけられる。生産を担当するのはGMの工場だ。
搭載される駆動用バッテリーの容量は85kWh。シングルモーター仕様(FWD)とデュアルモーター仕様(AWD)をラインナップする。AWD仕様は、最高出力およそ288hp、最大トルクはおよそ333lb.-ftを発生し、EPA航続距離は300マイル(約482km以上)を目標としている。また、150kWクラスの高出力急速充電に対応しており、約10分で65マイル(約104km)相当の充電が可能だ。充電規格にはCCSポートが採用されるが、2025年以降はNACS(いわゆるテスラ規格)もアダプターを介して利用可能になる。
アコードやアキュラZDXに続き、車載向けコネクテッドサービス「Google built-in」も標準装備。インフォテインメントシステムのスマホ化を進め、利便性を大きく向上させている。さらにソフトウェアはOTA(Over the Air)により一部の機能や性能をアップデートすることが可能だ。
グレード構成は「EX」、「TOURING」、「ELITE」の3種類で、販売予定価格は4万ドル台後半(約670万円)から。米国内生産なので、インフレ抑制法の税額控除(最大7500ドル)の適用も見込まれている。現在のところ、日本市場への投入は予定されていない。