通信によるアップデート(OTA)にも対応
それ以外の見逃せない機能として注目したいのが、実用性が高い車内環境のスマートな操作体験を提供する「エクスペリエンスセレクションダイヤル」の採用だ。この機能は、従来のスイッチによる操作ではなく、よりスマートかつスピーディに目的の操作が行うことを目的に開発された。
ダイヤルを回すとセンターディスプレイにメニューが現れ、必要なところで回転を止めてダイヤルをプッシュすれば設定が完了。従来のような階層をたぐって設定するより、ずっと使いやすさを実感できる。
しかも、この機能は北米仕様にはないアジア地域向け専用となっているという。しかも、このダイヤルの中央には時計が表示され、それはアナログ/デジタル式が選択できるほか、その背景には好みの動く模様を設定することも可能となっている。
開発担当者の説明では、あくまで将来への可能性としてだが、アップデートによって好みの画像等を加えられるようになるかもしれないとのことだ。ここにスマホのように家族の写真などが反映できたら、個人的にはとても嬉しい。また、車内のアンビエントライトにもこだわりを見せる。色の好み、ドア開閉やエアコンの温度調節といった動作を総合的に判断して“光”で演出する機能を備えたのだ。
そして、新型アコードのGoogleビルトインでは、車載向けコネクテッドサービスとして通信によるアップデート(OTA)に対応していることも大きなポイントだ。これはシステムを使いながらアップデートを可能とするもので、従来のように機能アップのために整備工場へ車両を持ち込む必要は一切ない。
これはインフォテイメント機能だけでなく、全方位安全運転支援システム「HondaSENSING 360」も対象となる。使いながら機能がどんどん拡張されていくのもGoogleビルトインを採用したことによる醍醐味なのだ。
●著者プロフィール
会田 肇(あいだ はじめ)1956年、茨城県生まれ。大学卒業後、自動車雑誌編集者を経てフリーとなる。自動車系メディアからモノ系メディアを中心にカーナビやドライブレコーダーなどを取材・執筆する一方で、先進運転支援システム(ADAS)などITS関連にも積極的に取材活動を展開。モーターショーやITS世界会議などイベント取材では海外にまで足を伸ばす。日本自動車ジャーナリスト協会会員。デジタルカメラグランプリ審査員。