猛暑を超えて酷暑、ことに今年の夏は厳しかった。この記録的な猛暑は、日本に限らず北半球を中心に世界のいたるところで報告されている。そして繰り返されるのは、子供が車内に置き去りにされたことで起きる痛ましい事故だ。そんな事情を背景に、子どもやペットの置き去りを防止する車内監視システム「CPD(Child Presence Detection)」に注目が集まっている。(タイトル写真はコンチネンタル・オートモーティブによるCPDのイメージ画像)

デジタル化の加速によりローコストなCPDも登場

課題は「CPD」の採用による販売価格の上昇だが、それも解消に向かいつつある。ドイツの大手サプライヤーであるコンチネンタル・オートモーティブは、欧州メーカーを中心に採用実績が多い同社のデジタルアクセステクノロジー「CoSmA」に超広帯域(UWB)無線テクノロジーを組み合わせ、車内にいる幼児を検知すると数秒以内にドライバーのスマートフォンに警告を発するシステムを開発した。

物体のわずかな動きからはね返ってきた信号をキャッチし、その信号の周波数や位相の変化を検知して、動いている物体の距離や速さを測る。呼吸による子どもの胸の動きなど、どんなに小さな動きもセンサーで検知し、遅くとも10秒以内に音や光、振動などでドライバーに警告を送る仕組みだ。

「CoSmA」を採用しているクルマにしか対応できないが、新たなハードウエアの追加は不要でコスト上昇も最小限に抑えられる。

画像: コンチネンタル・オートモーティブは、新たなハードウエアを追加せず、コストの上昇も最小限に抑える「CPD」システムを開発した。

コンチネンタル・オートモーティブは、新たなハードウエアを追加せず、コストの上昇も最小限に抑える「CPD」システムを開発した。

日本での普及が始まるのは早くても2025年以降か?

置き去りへの対策は、日本でも一部車種で採用が始まりつつある。ただし現段階では、ドアの開閉と連動してメーターディスプレイに表示した簡易な監視システムであり、幼児・ペットなど車内で動くものと荷物との識別が可能なレーザーを使った「CPD」は現段階では実装されていない。

冒頭に紹介したアンケートでは、「車内放置を防止するシステムが欲しいか」という問いに対して、20代では56.8%が「欲しい」、「とても欲しい」と答えたのに対し、60歳以上では34.8%と低調な結果に。若年層ほど切実度が高いのは当然だが、「こうしたシステムにいくら払うか」という質問には、20代が「無償から1万円程度」と回答している。つまりニーズはあるのだが、それに支払える追加コストはせいぜい1万円程度というのが本音なのだろう。

現在、アイシンを始め大手サプライヤーによる開発は加速しており、コストの圧縮も進んでいる。また欧州や北米向けの輸出車両には「CPD」は必須となるので、まもなく日本車にも搭載が開始されるだろう。それゆえ、2025年以降は国内の市販車でも「CPD」搭載が一挙に進むという予測もある。

すでに2023年4月1日から、幼稚園、保育所などの送迎バスには安全装置の設置と運用が義務化された。しかし、乗用車への適用について行政が活発な意見のやり取りをしていることは伝わってきていない。“スマートモビリティ”の実現は、電動化を始め技術の進歩によってもたらされるものだ。EVやPHEVの技術動向やインフラの整備問題とともに、「CPD」の早期普及=標準装備化もぜひ議論の俎上にのせて欲しいものだ。

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