BYDのPHEV「シーライオン 6」、1200kmのロングレンジを武器に日本市場で発売。車両価格は398万2000円に設定

BYDのエンジン搭載車、日本市場への投入は初

リチウムイオンバッテリーメーカーとしても知られるBYDが日本市場に参入したのは2022年のことで、以来アット3やドルフィンなどいずれもEVを発売してきた。そのためBYDをEVメーカーだと思っている人もいるのではないだろうか。しかし、実はPHEV（プラグインハイブリッド車）生産において15年以上の歴史を持ち、また中国本国や欧州などの海外市場で多くラインナップしている。

今回日本市場への導入を発表した「シーライオン6」もPHEVで、独自のスーパーハイブリッド「DM-i（デュアル・モード・インテリジェンス）」を搭載したSUVタイプのモデル。電動駆動の静粛性と滑らかさを基盤に、日常の移動ではほぼEVとして走行し、ガソリンエンジンとの併用により長距離走行を可能にしている。

搭載するパワートレーン「DM-i」は、1.5Lガソリンエンジンと同社独自のブレードバッテリー（リン酸鉄リチウムイオンバッテリー／18.3kWh容量）、モーターを組み合わせた高効率なエレクトリックハイブリッドで、「EV走行を主体」とするシステム構成としている。走行の大半をモーターが担うことで走行中の静粛性を、必要に応じてエンジンを効率的に作動させることで優れた燃費性能を発揮する。前輪駆動モデルであれば満充電時に100kmのEV走行を可能とし、日常領域のほぼすべてをモーター駆動だけで移動できるという。

デザイン面では、BYDの海洋シリーズ特有の世界観を取り入れた洗練されたスタイルを採用。伸びやかな横基調のフロントにシャープで存在感のある「Ocean X Face」デザインを取り入れることでダイナミックな印象を持たせている。また、リアには一文字のテールランプを備え、先進的なSUVの存在感が強調されている。

インテリアではブラック基調の空間にブラウンのアクセントを配し、モダンなデザインにまとめられている。スポーツシートは身体をしっかり支える仕様であり、前席にはシートヒーターとベンチレーションを搭載している。センターコンソールにはクリスタル風の電動シフトレバーやワイヤレス充電機能が搭載されており、高い機能性と上質感を両立した。さらに中央には15.6インチの高精細ディスプレイが配置され、Apple CarPlayやAndroid Autoを利用できる。

なおラゲッジルームは425Lの容量を確保し、後席を倒すことで1440Lまで拡張でき、フラットな床と大きな荷室開口部により高い実用性を実現している。充電は最大6kWの200V普通充電と、チャデモ充電ソケットを用意して18kWの急速充電も可能としている。車外への給電（V2L）や家庭への電力供給（V2H）にも対応するなど、アウトドアや災害時など幅広い場面で活躍することだろう。

ラインナップは、航続距離1200kmとロングレンジ性能を重視したFWDの「シーライオン6」と、0→100km／h加速5.9秒を実現した4WDの「シーライオン6 AWD」の2グレードが展開され、車両価格はFWDが398万2000円、4WDが448万8000円に設定されている。FWDの納車が2026年1月末から、4WDが同年3月からを予定している。ちなみに、4WDの主要諸元は未公開部分が多く、詳細は後日発表とされているので、気になる人は続報にも注目だ。

BYD シーライオン6 FWD　主要諸元

●全長×全幅×全高：4775×1890×1670mm
●ホイールベース：2765mm
●車両重量：1940kg
●エンジン：自然吸気 直列4気筒
●総排気量：1498cc
●エンジン最高出力：72kW／6000rpm
●エンジン最大トルク：122Nm／4000−4500rpm
●モーター最高出力：145kW
●モーター最大トルク：300Nm
●トランスミッション：電気式無段変速機
●駆動方式：FWD
●燃料・タンク容量：レギュラー・60L
●WLTCモード燃費：22.4km／L（ハイブリッド）
●タイヤサイズ：235／50R19
●車両価格：398万2000円

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