英国ロンドンに本拠を置く「HORSE POWERTRAIN(ホース・パワートレーン)」がEVを最小限の加工でHEVに変換するモジュラー型パワートレーン「フューチャー ハイブリッド コンセプト(Future Hybrid Concept powertrain)」を開発し、上海モーターショー2025で公開した。EVをベースにこのシステムに換装したHEVは、早ければ2028年に市販車として登場するという。
一体化したモジュールをEVプラットフォームにボルトオンで搭載
その最大の美点は、EVのeアクスル(eAxle)搭載スペースにそのまま収められるコンパクトなサイズにある。エンジン、モーター、トランスミッション、パワーエレクトロニクスシステム(コントローラー、インバーター、DC/DCコンバーター、オンボードチャージャーなど)が完全一体化しており、ハイブリッドのパワートレーンにありがちな複雑な取り回しを軽減している。
車両のサブフレームに直接ボルトで固定される構造を採用しているので、EVプラットフォームの再設計を行うことなくハイブリッドモデルの生産が可能になる。もちろん自動車メーカーや車種ごとの調整作業は発生するが、あらゆるケースに対応できるように準備を進めているとのこと。内燃機関用プラットフォームでも、搭載可能だという。

各国の安全基準を満たすべくヘッド部分はとくに小さくまとめられている。エンジンは横置きレイアウトを基本としている。
さらに、ガソリン、E85エタノールフレックス、M100メタノール、そして合成燃料など、さまざまな燃料に対応するプレチャンバー点火システムを備え、ほとんどの国と地域に適合する点も大きなメリットだ。
この逆転の発想から生まれたHEVシステムは、早ければ2028年から市販車に搭載されてデビューするとのこと。さて、どんな仕上がりになっているのか。そのときを心待ちにしているのは、ほかならぬ世界中の自動車メーカーなのかもしれない。



