量産開始は2028年から。まずは大型EVピックアップトラック&SUVに搭載
GMでは2015年からその可能性に着目して研究を続けてきたが、寿命と電圧減衰に悩まされてきた。そこにLGの技術を掛け合わせることで、この問題も解消。寿命は現在の高ニッケルセル(NMC)に匹敵し、性能も同等だという。

LMRが従来抱えていた性能と耐久性の課題をGMとLGのパートナーシップで解消した。
現在、GMの大型EVピックアップトラックには、400マイル(約644km)以上の航続距離を確保するために、高価なNMCリチウムイオンバッテリーが搭載されている。その次世代モデルでは、「LMR」に置き換えることで400マイルを超える航続距離を実現しながら車両価格を抑えるのが目標だ。
ちなみに、現行型シボレーシルバラードEVは、最大航続距離492マイル(約787km:EPAモード)でバッテリー容量は200kWhを超える。車両価格は7万3100ドル(およそ1076万円)から、というなかなかの高価格車であるが、バッテリーコストが下がることで次世代車の価格引き下げも可能になるとGMはコメントしている。

現行型シボレーシルバラードEV。次世代モデルはLMRバッテリーの搭載で手に入れやすいに価格に?
生産はGMとLGの合弁会社である「Ultium Cells」が担当。2027後半までにLGの施設内で先行生産を行い、2028年からUltium Cellsにて本格的な量産に移行する。同年中にはGMの大型EVピックアップトラックおよびSUVから搭載が始まる。また、リチウム、グラファイト、マンガンなどの重要な材料は米国内で調達すべくサプライチェーンの強化も行うという。
EVの普及には安価なバッテリーの登場が不可欠だが・・・
全固体電池の実現が現実味を帯びてきている昨今だが、一方で普及価格帯の量産EVにはLFPに代表される安価なバッテリーが不可欠だ。トヨタ、日産は自前のLFPバッテリー開発計画を発表しているが、先日、日産はその計画を断念した。全固体電池でも欧米勢の追い上げが急であり、バッテリー開発はひと時も気が休まらない状況である。



