ダイゾーが手がけるEVトゥクトゥク「eNEO」シリーズにはハイパワーモデルの「NEO-ONE」と標準モデルの「NEO-Light」が存在する。本記事では、両モデルに試乗し、その使い勝手や走行感覚、実用性などを検証してみよう。
EVとしては控えめな加速感。扱いやすいスロットル操作が特徴
車両の起動はプッシュ式ではなく、いまどき珍しくなった「メカニカルキーをキーシリンダーに差し込む」形式を採用。起動後の運転操作は、バーハンドルにある物理レバーと物理ボタンでできるため、一度ボタン配置を覚えれば簡単に扱える。

ハンドルの右にキー差込口、ワイパー起動スイッチ、デフロスタースイッチを備えている。
運転を開始すると、「モーター制御がマイルドである」という印象を受けた。停止状態からスロットルをいきなり最大までひねってもレスポンスはゆったりしており、どちらかといえば穏やかに加速していくといったイメージだ。
これは決してモーターパワーが足りないという意味ではなく、急発進防止を目的とした「車両制御」として実装されているのかもしれない。
というのも、ブレーキ使用時にはモーターへの電力供給がカットされる制御システムを採用している一方、成人男性が2名乗車した状態で、東京都内の有名な急坂「行人坂(平均勾配15.6%)」を坂道発進しても楽々登坂できたため、モーターのトルク不足を感じることはなかった。
また、AT車のクリープ現象が再現されず、前進・後進いずれの場合でもスロットルを回す必要があるタイプであることを考えると、こうしたモーター特性は安心機能のひとつとして設計されていると言えるだろう。
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