スマートモビリティJPにおいて2024年PVランキング1位に輝いた、原付ミニカー区分にあたる「EV-eCo」の記事。今回の記事では試乗レビューを行い、その使い勝手や走行感覚、得意とするシチュエーションなどを検証してみた。

今ホットな「ミニカー」カテゴリーのEV

ミニカーという車両区分をひと言で表すとすれば「3輪・4輪版の原付」のことであり、原付一種のエンジン(or 電動モーター)を搭載した軽自動車未満のクルマとして定義されている。

一番のメリットに挙げられるのが「維持費は原付一種レベルなのにクルマと同じ交通ルールで乗れる」という点。つまり原付とクルマの「いいとこ取り」ができるモビリティとして、にわかに注目を集めている車両ジャンルである。

原付一種ミニカー軽自動車
運転免許原付免許普通自動車免許普通自動車免許
最高速度
(一般道)
30km/h60km/h60km/h
車体サイズ全長2.5m以下
全幅1.3m以下
全高2.0m以下
全長2.5m以下
全幅1.3m以下
全高2.0m以下
全長3.4m以下
全幅1.48m以下
全高2.0m以下
ヘルメット必要× ×
シートベルト×× 必要
ニ段階右折必要× ×
車検×× 必要
車庫証明×× 保管場所を届け出
高速道路×× 通行可能
自動車税2000円3700円 1万0800円
自動車重量税なしなし 3300円(1年分)
自賠責保険
(2年分)
8560円8560円 1万7540円
乗車定員1名1名 4名
最大積載量30kg90kg350kg

そのカラクリは、道路交通法上はクルマ(普通自動車)、道路運送車両法上は原付(第一種原動機付自転車)として扱われることに由来しており、運転するには原付免許ではなく普通自動車免許が必要となる。

低価格と多機能を両立し「良コスパ」が光る

今回紹介する「EV-eCo」は、ミニカーに区分されるEVの中でもひときわ低価格のモデルで、クローズドボディのミニカーとしては日本最安級の車両価格64万9000円で販売されている。

車両サイズは全長2400mm×全幅1125mm×全高1619mm、ホイールベース1610mmで、全長はホンダ ステップワゴン(AIR:4800mm)の半分しかなく、かわいらしい見た目をしているが、実際にクルマに触れてみると機能性は充実しているのである。

画像: 全長2400mm、全幅1125mmと非常にコンパクトな車体が特徴。

全長2400mm、全幅1125mmと非常にコンパクトな車体が特徴。

センターシートレイアウトを採用しており、ドアは左右どちらも開閉できるため、コンパクトな車体を活かして狭い駐車場でも幅寄せすれば、楽に乗り降りできるだろう。

一般的なクルマと同様のドアハンドルを引いて乗り込んでみると、黒・赤のカラーコーディネートが個性的なシート、視認性の良いメーターパネル、ウインカー/ワイパーレバーを備えていることがわかる。

画像: 運転席のシートやシートベルト等は普通のクルマとほぼ同じ見た目である。

運転席のシートやシートベルト等は普通のクルマとほぼ同じ見た目である。

もともとは中国市場向けに開発、中国で生産されたモデルということもあり、ウインカーレバーはハンドルコラムの左側に、ワイパーレバーは右側に配置されている。国産車とは逆のレイアウトなので、はじめて走行するとき誤操作することもあるかもしれないが、それもすぐ慣れるだろう。

画像: 今となっては懐かしいキーシリンダー式の鍵で電源のオンオフを行う。右にあるのがドライブセレクターと送風・温風モード切り替えスイッチだ。

今となっては懐かしいキーシリンダー式の鍵で電源のオンオフを行う。右にあるのがドライブセレクターと送風・温風モード切り替えスイッチだ。

エアコンは搭載していないが、短距離・短時間の移動を前提としたバッテリー容量約3.5kWh/航続距離40kmであるため、風を浴びて暑さを凌ぐスタイルとなる。左右ドアのサイドウィンドウやサンルーフ、後部窓と開口部が多いので真夏の炎天下でもなければ、気持ちのいい風を感じられるはずだ。

ドライブセレクターの横にある送風モードスイッチを押すことで始まる送風(風量調整はできない)が思っていた以上に強風なことも、こうした仕様によるものかもしれない。送風ボタンの下にあるPTCボタンを押すことでヒーター(温風)に切り替えることもできる。

また、5VのUSBタイプA端子やLEDルームランプなど、あると嬉しい機能も標準装備している。

画像: 左下のオレンジ部分がUSB端子、右下のパネルにはドライブセレクターや送風スイッチなどボタン類が配置される。送風に風量調節機能はない。

左下のオレンジ部分がUSB端子、右下のパネルにはドライブセレクターや送風スイッチなどボタン類が配置される。送風に風量調節機能はない。

画像: サンルーフとLEDルームランプ。サンルーフは前方が開く方式なので、走行風が入りやすくなっている。

サンルーフとLEDルームランプ。サンルーフは前方が開く方式なので、走行風が入りやすくなっている。

ちなみに足元にはスピーカーカバーらしきフタが配置されているが、その中にスピーカーは装備されていない。メーカーの所在地である中国仕様にはBlootoothのオーディオユニットを装備するモデルもラインナップされているものの、日本仕様では法的な問題で用意されていないからだ。

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