2025年度内に販売スタートするEVミニカー、KGモーターズの「mibot(ミボット)」に試乗することができた。原付ゆえのコストパフォーマンスの良さと、クルマらしい利便性の高さを両立した超小型モビリティは十分な走行性能を備えた実用EVだった。(ここで紹介する試乗車はプロトタイプで、今後仕様変更される可能性がある)

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【解説記事】本記事を読む前に「ミニカー」とは何かをおさらいしよう!

原付のクルマ「ミニカー」がもつ可能性と課題

ミニカーをひと言で説明すると「3輪・4輪版の原付」であり、原付一種と同様の原動機(エンジン or 電動モーター)を搭載した乗りもので、そのサイズは軽自動車よりもひと回り小さなクルマとして定義されている車両区分だ。

道路交通法ではクルマ(普通自動車)、道路運送車両法上では原付(第一種原動機付自転車)として扱われることから、「維持費は原付一種レベル」で「交通ルールはクルマと同じ」という強力なメリットが存在している。(運転するには普通自動車免許が必要)

つまり、原付一種に求められる二段階右折やヘルメット着用義務などといった特殊ルールがない上に、車庫証明や車検など乗用車を購入・維持するために必要なコストや手間がかからない。まさに原付とクルマの「いいとこ取り」が狙えるモビリティと言えるだろう。

原付一種ミニカー軽自動車
運転免許原付免許普通自動車免許普通自動車免許
最高速度
(一般道)
30km/h60km/h60km/h
車体サイズ全長2.5m以下
全幅1.3m以下
全高2.0m以下
全長2.5m以下
全幅1.3m以下
全高2.0m以下
全長3.4m以下
全幅1.48m以下
全高2.0m以下
ヘルメット必要××
シートベルト××必要
ニ段階右折必要××
車検××必要
車庫証明××保管場所を届け出
高速道路××通行可能
自動車税2000円3700円1万0800円
自動車重量税なしなし3300円(1年分)
自賠責保険
(2年分)
8560円8560円1万7540円
乗車定員1名1名4名
最大積載量30kg90kg350kg

ただし、法律の規定で原付一種と同じ出力規制がかけられており、バイクよりも重たい車体を原付エンジンで駆動しなければならないという制約があるので、実用できる動力性能に仕上げるためには高い技術的なハードルを超えなくてはならなかった。

たとえば、今回試乗した「mibot」のようなEVミニカーが搭載するパワートレーンは、街中を走る電動キックボードをはじめとする「特定小型原付」と同様に、定格出力は0.6kW以下と定められている。

もっとも、車両重量が軽い電動キックボードにとって定格出力0.6kWという数値はオーバースペック気味であるため、実際に0.6kWモーターを搭載しているのは一部のハイエンドモデルに限られる。

一方、車両重量が重いEVミニカーにとっては「原付バイクや電動キックボードの上位モデルと同じパワーで、クルマとしての走行性能をどこまで確保できるか」という課題がつきまとっているのだ。

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