2025年2月21日、ホンダの航空事業子会社「ホンダ エアクラフト カンパニー」は米国ノースカロライナ州の生産工場にて、新型ビジネスジェット機「ホンダジェット・エシュロン」の型式認定用テスト機の製造を開始した。

機体の大型化で1クラス上のライトジェット機カテゴリーに進出

ホンダは、2015年に独自開発の主翼上面エンジン配置が特徴のビジネスジェット機「ホンダジェット」を販売開始して以降、「ホンダジェット・エリート」や「ホンダジェット・エリートII」など改良版を次々と投入している。

画像: 現在の最新型となる「ホンダジェット・エリートII」は7人乗りの小型ビジネスジェット機だ。

現在の最新型となる「ホンダジェット・エリートII」は7人乗りの小型ビジネスジェット機だ。

2021年10月には、ホンダジェットの機体を大型化させ、従来モデルが属していたベリーライトジェット機カテゴリーの1クラス上にあたるライトジェットカテゴリーへの参入を発表するとともに、コンセプトモデル「ホンダジェット 2600コンセプト」も公開。そして2023年には、次期モデル「ホンダジェット・エシュロン」として発表していた。

「エシュロン(Eschelon)」は「梯形編隊飛行(=先行機の斜め後方に後続機を配列していく隊形)」を表しており、効率の良い飛行パターンとして知られているほか、プレミアムカテゴリーを指す言葉としても用いられることからホンダジェットブランドの最上級モデルという意味が込められている。

主な特長としては、①航続距離2625海里(4862km)の実現、②機体の大型化と定員数アップが挙げられ、世界初となるアメリカ大陸を横断可能なライトジェット機となる見込みだ(同社調べ)。

画像: ノンストップでアメリカ横断可能な航続距離2625海里を目指している。

ノンストップでアメリカ横断可能な航続距離2625海里を目指している。

ホンダによると、生産工場内にエシュロン専用の生産ライン開設が進行中で、2024年末には主要設備の搬入を完了し、2025年1月には、システム統合検証施設(Advanced Systems Integrated Test Facility)内のフライトシミュレーターによる初飛行を行い、飛行制御システムなど、主要な航空機システムの検証を開始しているという。

画像: 試験1号機の主翼組み立てが開始された。

試験1号機の主翼組み立てが開始された。

初飛行は2026年を目標に掲げており、型式認定用テスト機の組み立てが開始されたことで、型式証明取得に向けた取り組みが一歩前進したことになる。

計画どおり2028年に型式証明を取得し、新型機でも販売機数世界一を達成できるのか、今後の開発進展にも期待が集まることだろう。

【主要諸元 ホンダジェット・エシュロン】
航続距離(NBAA IFR Range、1乗員+4乗客):2625海里(4862km)
最大定員:乗員1名+乗客10名 または 乗員2名+乗客9名
最大巡航速度:450ノット(834km/h)
最大運用高度:4万7000フィート(1万4326m)

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