市販型「SU7 Ultra」のスペックも明らかになった
10月29日から予約受注が始まった量産モデル「SU7 Ultra」の詳細を見ていこう。まず、モーター、バッテリーを始め搭載されるドライブトレーンシステムはプロトタイプと基本的に同じものである点に注目したい。つまり、システム総出力1548ps/同最大トルク1770Nmのトライモーター式AWDであり、0-100km/h=1.98秒、0→200km/h=5.86秒、0→400km/h=9.23秒、そして最高速度=350km/hと動力性能は同等である。さらにトライモーターならではのトルクベクタリング機構が採用されており、毎秒500回にも及ぶセンシングによってサーキット走行でも音を上げないハンドリングと安定性を発揮する。
バッテリーパックも同じくCATL麒麟(Qilin)の最新バージョンである“2.0”。容量は93.7kWhで最大放電電力は1330kWだ。システム電圧は897Vが採用され、480kWの超急速充電にも対応。同スペックの急速充電器を使えば、SOC10→80%をわずか11分で達成できるとしている。なお、航続距離はCLTCモードで630km。また冷却システムも強化され、一般的なEVの3倍にあたる熱放散能力が与えられている。
ブレーキは、プロトタイプのAP製から公道走行も可能なシステムに変更。クラス最大サイズのカーボンセラミックローターはそのままに、日本のAkebono製高性能キャリパー(前6ピストン・後4ピストン)を採用して、公道からサーキットまでトップレベルのストッピングパワーを長期にわたり安定して発生する。
100km/h→0km/hまでの制動距離をわずか30.8mで達成し、180km/h→0km/hの制動試験を10回連続でフェードなく完走している。耐用年数は50万kmを超え、車両全体の重量も57kg削減。タイヤはピレリのPゼロ。前265/35R21、後305/30R21という特大サイズを装着している。
一方、カーボン外板や巨大なリアウイングの採用は見送られている。とは言え、空力パーツの装着や専用フェンダーの採用などによって全長5115(4997)×全幅1970(1964)×全高1465(1455)mmと( )内の標準グレードよりもわずかにサイズアップしている。ホイールベースは3000mmで変わらない。