2024年8月16日、本田技研工業(ホンダ)は同日から18日にかけてアメリカ・カリフォルニア州で開催されている自動車イベントMonterey Car Week(モントレー カー ウィーク)と「Pebble Beach Concours d'Elegance(ぺブルビーチ コンクール デレガンス)」に出展。最新のAcura Performance EV Concept(アキュラ パフォーマンス EVコンセプト)だけでなく、RA272(1965年)やHP-X コンセプト(1984年)も展示するという。

ホンダ プロローグとは異なる系統のEVコンセプト

ホンダは1960年代から北米で二輪車市場の開拓をはじめ、1973年のシビックCVCCのヒットを契機にした乗用車市場の拡大も果たすとともに現地生産工場を建設した。さらにプレミアム志向のアキュラブランドを立ち上げ、北米専用モデルの開発、レースへの参戦など北米ユーザーの信頼と販売実績を獲得するための戦略がとられてきた。

こうした中には、カリフォルニア州で開催される自動車の祭典モントレー カー ウィークとその最終日のぺブルビーチ コンクール デレガンスへの出展もある。これまでも、HP-Xコンセプトカー(1984年)からアキュラ NSXコンセプト(2013年)、アキュラ タイプSコンセプト(2019年)など数々のモデルを公開してきた。

そして2024年(現地時間の8月16日〜18日)もまた新たなコンセプトカーが登場することになる。

ホンダが用意したモデルはいくつかあるが、次世代アキュラEVの方向性を示すコンセプトカー「アキュラ パフォーマンス EVコンセプト」は世界初公開となる。

カリフォルニア州のアキュラデザインスタジオで開発されたもので、SUVと4ドアクーペをクロスオーバーさせたようなシルエットで構成されている。フロントデザインはラグジュアリーな大型ヨット「スーパーヨット」をモチーフとし、フロントバンパーは先端に向かって絞り込まれて船のノーズや波をかき分けるステムのようなデザインも見受けられる。

画像: スーパーヨットや2代目NSXなどのデザインがオマージュ、採用されている「アキュラ パフォーマンス EVコンセプト」。

スーパーヨットや2代目NSXなどのデザインがオマージュ、採用されている「アキュラ パフォーマンス EVコンセプト」。

また2代目NSXへのオマージュとして、サイドパネルは深く彫り込まれ、リアはテールゲートや1本のラインでつながる左右のテールライト、大きなリアディフューザーなどからスーパースポーツカーのテイストを感じられる。ボディカラーはセミマット調の塗装「ムーンリットホワイトパール」で仕上げられている。

今回公開されたモデルはあくまでコンセプトであり、市販車両として登場することはなさそうだ。しかし、これをベースとしたSUVタイプのEVがオハイオ州のメアリズビル四輪車工場で2025年末から生産され始めるとしている。

すでに販売されているホンダ プロローグのように、GMが開発したEVプラットフォームとアルティウムバッテリーを搭載するのではなく、独自開発の次世代プラットフォームを採用する最初のモデル。そして、今後EVを量産するためのハブ拠点とするべく現在生産設備の改修を進めているのだという。

ちなみにモントレー カー ウィーク2024では、北米で急騰中のF1人気に応える形で、ホンダのF1参戦2年目に初優勝を飾ったRA272(1965年)を展示、さらにデモ走行も予定されている。このほかにも、1984年に登場したミッドシップ(2L V6 DOHCエンジン)のスーパースポーツコンセプトモデル「ホンダ HP-X コンセプト」がフルレストアを受けての展示となる。ピニンファリーナによってデザインされ、初代NSX(1990年)開発で多くのアイデアとインスピレーションを与えたと言われるモデルだ。

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