2024年4月9日、蓄電池型の急速充電器を製造販売するパワーエックスは全国道の駅連絡会と協定を締結して、EV充電インフラ拡充に向けて同社製の蓄電池型急速充電器「Hypercharger(ハイパーチャージャー)」を全国にある道の駅に設置していくことを発表した。2024年度内に12駅で整備をして利便性の検証を開始、その後に設置駅数を27まで増やす方針だという。

郊外にある道の駅とパワーエックス急速充電器の相性

日本におけるEV市場の拡大傾向は若干落ち着いてきた印象はあるものの、2023年の年間販売台数は9万台を突破、2024年以降も販売台数と市中保有台数は着実に増えていくと予測されている。これと同時に重要になるのが充電インフラの拡充で、2023年10月に経済産業省は「充電インフラ整備事業促進に向けた指針」を策定して、2030年までに公共用急速充電器3万口の整備を目標に定めた。

充電ニーズが高い拠点においては最高出力90kW以上・複数口に対応した充電器の設置、そして2025年度からは充電電力量によって料金が変動する従量課金制(従来は時間課金制)を導入して、設置事業者とユーザーにフレンドリーな制度実現を目指している。

とくに移動経路上の充電拠点は重要な役割を担うと言われ、その中でも日本全国に1200カ所以上が設置されて多くの買い物客や観光客が訪れる「道の駅」の役割に注目が集まっている。

急速充電器を開発・製造・販売するパワーエックスは今回、道の駅同士のネットワーク構築とユーザーへの情報発信などを行う「全国道の駅連絡会」と協定を締結。蓄電池型の急速充電器を道の駅に設置するとともに、従量課金制の採用や再生可能エネルギーによる充電サービスも実施して、ユーザーの反応や利便性を検証する実証実験を行うことで合意した。

画像: ハイパーチャージャー Proは施設への給電もできる機能を搭載し、自然災害による停電にも対応したモデル。蓄電池容量は358kWh。

ハイパーチャージャー Proは施設への給電もできる機能を搭載し、自然災害による停電にも対応したモデル。蓄電池容量は358kWh。

対象となる道の駅は、2023年に行われた公募の中から第三者委員会が諮問して27駅を選定。実証実験の第1期にあたる2024年度は、5月から2025年3月にかけて12駅で展開していくという。その後の第2期は2025年度に行われる。

第1期 2024年度に整備を開始する道の駅(予定)

道と川の駅 花ロードえにわ(北海道恵庭市)
道の駅 ニセコビュープラザ(北海道ニセコ町)
道の駅 猪苗代(福島県猪苗代町)
道の駅 日光(栃木県日光市)
道の駅 富楽里とみやま(千葉県南房総市)
道の駅 みのりの郷東金(千葉県東金市)
道の駅 しょうなん(千葉県柏市)
道の駅 いちかわ(千葉県市川市)
道の駅 伊豆ゲートウェイ函南(静岡県函南町)
道の駅 朝霧高原(静岡県富士宮市)
道の駅 とよはし(愛知県豊橋市)
道の駅 くるめ(福岡県久留米市)

この取り組みで設置されるパワーエックスの急速充電器ハイパーチャージャー シリーズには、「蓄電池型」という特徴がある。一般的な急速充電器と違って、バッテリーに蓄電した電力を機器自体が高電圧に変換するシステムを採用しているため、機器への電源供給は低電圧でも大丈夫だという。このため電力の契約内容を問わずに導入でき、そして太陽光発電をはじめとする自然エネルギーからの電源供給も可能になる。

郊外にある道の駅は、広い敷地を活用して太陽光パネルをはじめとする再生可能エネルギーによる発電施設を設置しているケースもあること、そしてハイパーチャージャー シリーズには電動車だけでなく施設への給電ができるモデルもラインナップされていることなど、道の駅とパワーエックスの蓄電池型急速充電器は相性が良さそうだ。

画像: パワーエックスのハイパーチャージャー シリーズは太陽光パネルから充電し、また施設に給電できるモデルもある。(画像にある機器はハイパーチャージャー シリーズではない)

パワーエックスのハイパーチャージャー シリーズは太陽光パネルから充電し、また施設に給電できるモデルもある。(画像にある機器はハイパーチャージャー シリーズではない)

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