MG3と上級ブランドIMモーターの新型車を披露した上海汽車
2023年に欧州での販売を23万台と倍増させ、英国を中心に存在感を増しているMGモーターは、スモールハッチバックモデルのMG3の新型を発表しました。目玉は初のハイブリッドモデル(Hybrid+)で、1.5Lのガソリンエンジンに100kWの強力なモーターを搭載して、トヨタ・ヤリスやルノー・クリオなどのHEVのライバル車を凌ぐ加速性能(0→100km/h加速8.0秒)を誇ります。2万ユーロを切る価格はライバルより1割安く、特にMGブランドのお膝元の英国では、販売が終了したBセグメントの王者フォード「フィエスタ」の市場を継承して旧モデルの3倍の販売を目指していると英自動車誌Autocarは報じています。
MGのトップセラーであるCセグメントSUVのMG ZSや、昨年欧州で7万2000台を販売した人気EVのMG4に加えて、EVスポーツカーの「サイバースター」の導入も控えており、製品ラインアップを強化するMGは中国車ブランドのリーダーとしての地位を固めそうです。
また上海汽車(SAIC)の上級ブランドであるIM(※1)モーターも、ミッドサイズセダンEVの「L6」をお披露目して2025年の発売に向けて欧州デビューを飾りました。アウディがこのIMモーターの技術を活用して中国向け製品を開発するとされており、0→100km/hの加速3秒、航続距離は最大800kmの高性能と最先端の自動運転技術を誇るとされるモデルです。※1:Intelligent Mobilityの略
2023年欧州で1万5000台を販売したBYDは、昨秋のIAAモビリティでもミッドサイズの「シール」やプレミアムブランド「デンツァ(騰勢)」のミニバン「D9」を発表して話題を呼びましたが、今回は、ジャパンモビリティショーでも展示された高級車ブランド「仰望(ヤンワン)」のスーパーSUV「U8」や、「シール」のプラグインハイブリッド車を披露しました。昨年300万台を販売し、第4四半期にはEVの販売台数でもテスラを抜いたBYDは、同年末にハンガリーに欧州生産工場を建設することを発表しており、同社の攻勢は2024年も続きます。