2024年2月21日、「Uber Eats Japan(以下ウーバーイーツ)」は、三菱電機、Cartkenと自律走行ロボットを使用したオンラインデリバリーサービス提供に向けて業務提携したと発表した。ロボットデリバリーサービスの提供は米国に続き世界2カ国目で、2024年3月中に東京都内の一部地域で開始予定だ。

Cartken製デリバリーロボットを使用

Cartkenは2019年、Google出身のエンジニアとオペレーターを含む専門家が協力して米国カリフォルニア州のオークランドで創業した自律走行ロボットメーカー。食料品の自動配送に適した小型軽量ロボの「Model C」と貨物の自動配送に適した大型ロボの「Model E」をラインナップしている。

ちなみに、両モデルともに日本での導入事例があり、有名なものだと2022年から11月に開始された茨城県つくば市での自動配送サービスが挙げられるだろう。「Model C」が「スターバックス コーヒー トナリエキュート つくば店」からの配送に、「Model E」が「西友つくば竹園店」からの配送で活用されていたが、現在「Model E」は「西友つくば竹園店」の閉店に伴い運行を停止している。

画像: 周囲の状況に応じた自律走行が可能

周囲の状況に応じた自律走行が可能

今回ウーバーイーツが導入した「Model C」は、高度なAIモデルやアルゴリズムを活用した物体検知技術や自律走行性能、遠隔操作機能を備えており、三菱電機によって日本の安全基準に適合化され、道路交通法に定める遠隔操作型小型車として最高速5.4km/hで歩道等を走行する。

カメラを通じて取得される映像では、人物は個人を特定できないようマスク処理を行うことで通行人のプライバシーに配慮されるほか、ロボット内部には断熱性のある約27リッターの積載スペースが備わっており、配達中も料理などを適切な温度に保てるそうだ。

画像: 27L、20kgまで輸送可能なので、宅配サービスにはちょうど良いサイズ感か

27L、20kgまで輸送可能なので、宅配サービスにはちょうど良いサイズ感か

都内の人通りの多い歩道を安全に、かつ最速でも5.4km/hという低速走行で美味しさをキープしたまま配送できるのか、またマンションなど集合住宅で注文した場合にオートロックやエレベーターを通過して玄関先まで配送できるのか等の不安材料も存在するが、人手不足が懸念される中で、配送手段の選択肢を増やす試みとして将来的に重要性が増していくことだろう。

【主要諸元 Cartken Model C】
機体サイズ:全長71cm × 全幅46cm × 全高60cm
積載重量:最大27L、20kgまで想定
最高速度:5.4km/h

自動配送ロボによる宅配サービスがどこまで社会を変えるのか、今後の展開に注目したい。なお、今回のプロジェクト実現に際し、3社の代表は以下のとおりコメントを発表している。

●Uber Eats Japan代表 中川晋太郎
「三菱電機、Cartkenと共にロボットデリバリーのサービス提供に向けた業務提携を発表でき、誠に嬉しく思います。Uber Eatsではすでに自転車やバイク、軽貨物、徒歩による配達が展開されていますが、今後そこにロボットというまったく新しい配達手段が加わります。自律走行ロボットは一朝一夕に普及するものではありませんが、2024年問題を含めた人手不足が懸念される中で、配送手段の選択肢を増やす試みとして、中長期的にその重要性を増していくと考えています。ロボットデリバリーを開始することで、Uber Eatsをご利用されるお客さまや加盟店舗の皆さまに、楽しいサプライズと高い信頼性を提供できるのを楽しみにしております」

●三菱電機開発本部 田中昭二(先進応用開発センター長)
「この度、ロボットデリバリーサービス提供に向けた三社での業務提携を発表することができ、大変喜ばしく思います。ロボットデリバリーは今後深刻化する物流クライシスへの有効な対策と考えられており、当社はこうした社会課題に対応する為、自律走行ロボットのパートナーであるCartkenと共に事業開発を進めて参りました。今回発表の取り組みが、日本におけるロボットデリバリーサービス普及の起爆剤になる事を期待しております。今後は、当社が得意とするビルや工場のインフラと連携することで、自律走行ロボットが様々な屋内施設へも商品をお届け出来るよう開発を進めております。三菱電機は、エンドユーザー様により一層、便利で先進的な体験をして頂けるよう努めて参ります」

●Cartken共同創業者&COO アンジャリ・ジンダル・ナイク
「Uber Eats、三菱電機との業務提携を通じて、活気あふれる東京の街でCartkenの自動ロボットデリバリー技術が活用されることになり、大変嬉しく思います。日本の消費者の皆さまにとってフードデリバリーがよりアクセスしやすく、サステナブルなものとなるよう、フードデリバリーの更なる発展に貢献して参ります」

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