2024年2月7日、BMWジャパン(ビー・エム・ダブリュー)は5シリーズツーリングのフルモデルチェンジを発表し、同日に販売もスタートさせた。パワートレーンはディーゼルエンジンを搭載した48Vマイルドハイブリッド(MHEV)仕様と、フルバッテリーEV仕様のふたつを用意するが、注目はやはりEVの「i5 ツーリング」だろう。

EVのMパフォーマンスモデルも同時発売

2023年7月に通算8代目へとフルモデルチェンジを果たしたBMWのアッパーミドルセダン 5シリーズは、歴代ではじめてグレードラインナップをすべて電動化モデルにするとともに、EVの「i5」も設定されて話題となった。この発表から半年が経過した2024年2月7日、ステーションワゴンボディの5シリーズツーリングが発表され、セダンと同様にEVの「i5ツーリング」も設定されている。

i5ツーリングのボディは、エンジン搭載車(2L直ディーゼルターボ+8速AT/48V MHEV)と共通するため、EVになってもBMWらしいロングノーズなフォルムは変わらず、また直線を基調としたデザインは伸びやかさも感じられる。

しかし、歴代モデルとはサイドフォルムの雰囲気が異なる。従来、サイドウインドウの底辺はリアエンドまで水平にそして一直線に伸びていたのだが、新型は後半で折れるように跳ね上げて描かれ、躍動感を演出されている。サイド下部のキャラクターラインも、これと並行するようなラインをとっているのだ。このデザインはセダンでも見られたが、窓面積の広いツーリングでより強調されたと考えられる。

画像: ドアノブはフラップタイプの電気式を採用する。写真はi5 ツーリング eDrive40 Mスポーツ。

ドアノブはフラップタイプの電気式を採用する。写真はi5 ツーリング eDrive40 Mスポーツ。

i5ツーリングのグレード展開は3つあり、後輪駆動の「i5 eDrive40 エクセレンス/Mスポーツ」には、250kW(340ps)/400Nmを発生するモーターがリアに搭載され、スポーツブーストまたはローンチコントロール機能を作動させれば、0→100km/h加速は6.1秒という好スタートを切ることができる。

一方の「i5 M60 xDrive」は、EV版のハイパフォーマンスカーにあたるMパフォーマンスモデルだ。名称にxDriveとあるとおり4WDで、前輪軸に192kW(261ps)を発生するモーターを、後輪軸には250kW(340ps)のモーターをそれぞれ配置して、システム総合でのパワーは442kW(601ps)/795Nmを誇る。

画像: 前方に突き出たシャークノーズと長いボンネットフードが特徴。写真はi5 ツーリング M60 xDrive。

前方に突き出たシャークノーズと長いボンネットフードが特徴。写真はi5 ツーリング M60 xDrive。

床下に配置されているリチウムイオンバッテリーの容量は83.9kWhで共通し、前者の航続可能距離は483km-560km、後者は445km-506km(いずれもWLTP)としている。興味深いのはセダンのi5より2.7kWh大きな容量であることだ。空力や車両重量などの性能差に対応するための、措置ではないかと考えられる。

先進運転支援機能はとにかく豊富。全方位ドラレコも標準装備

BMWらしいドライビングダイナミクスは新型でもEVでも不変で、ロングホイールベースと幅の広いフロントとリアのトレッド幅、バランスの取れた50:50の前後重量配分、軽量でありながらボディとシャシーの接続剛性向上など、さまざまなボディ構造テクノロジーが採用されている。

このほかにも、可変レシオのスポーツステアリングホイールや四輪操舵システムも標準装備されて、走行安定性と高精度なハンドリングを高レベルでバランスさせている。また電子制御のアダプティブサスペンション(i5の全グレードに標準装備)や、電子制御スタビライザー(M60に標準装備)などによりアグレッシブさだけではない、走行快適性も担保する。

画像: カメラやセンサー、レーダーなど数々のセンシング技術による運転支援システム「ドライビング アシスト プロフェッショナル」を採用する。

カメラやセンサー、レーダーなど数々のセンシング技術による運転支援システム「ドライビング アシスト プロフェッショナル」を採用する。

高性能カメラやレーダー、高性能プロセッサーによる数々の先進運転支援システムを全車に標準装備する。なかでもドライバーの運転負荷を軽減する機能として知られる「ハンズ オフ機能付き渋滞運転支援機能」は、いくつかの条件をクリアすれば高速道路の渋滞時にステアリングホイールから手を離して走行できるもの。

そのほか完全自動駐車できる「パーキング サポート プロフェッショナル」や、車両の前後左右の全方向をカメラで記録する「BMWドライブ レコーダー」を標準装備することも大きなポイントだ。

新型5シリーズツーリングで気になることがひとつある。歴代5シリーズツーリングに採用されてきたガラスハッチが、新型では採用されていないかもしれないということだ。新構造が採用されている可能性もあるが、従来モデルや現行3シリーズツーリングのリアワイパー根元にあったガラスハッチを開けるためのボタン、そしてガラスハッチを支えるステーが新型には見当たらないのだ。車両の詳細なスペックとともに、こうした情報も今後明らかになっていくものと思われる。

ユーザーへのデリバリーは、2024年第三四半期以降を予定しているという。

BMW 5シリーズツーリング ラインナップ

i5 eDrive40 エクセレンス(RWD):1040万円
i5 eDrive40 Mスポーツ(RWD):1040万円
i5 M60 xDrive(4WD):1600万円
523d xDrive エクスクルーシブ(2L直4ディーゼルターボ+8速AT/FR):890万円
523d xDrive Mスポーツ(2L直4ディーゼルターボ+8速AT/FR):960万円
※すべて右ハンドル仕様

BMW i5ツーリング eDrive40 主要諸元

●全長×全幅×全高:5060×1900×1515mm
●ホイールベース:2995mm
●車両重量:−kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:250kW(340ps)
●最大トルク:400Nm
●バッテリー総電力量:83.9kWh
●一充電での走行可能距離:483-560km
●駆動方式:RWD
※欧州仕様値

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