取り回しの容易なサイズ感、ポルシェ車にしては手を出しやすい価格レンジ(現行モデルの国内価格は838万円〜)も相まって「マカン」は日本でもベストセラーとなっている。そして去る1月11日(ドイツ本国時間)、ポルシェは1月25日の正式発表を控え、そこに採用される新技術のアウトラインを公表した。(タイトル写真は偽装を施した新型マカンのテスト風景)

各国で実施されたテスト走行距離は350万kmに及ぶ

以前にも発表されたとおり、次世代のマカンはEV専用モデルに生まれ変わるためすべてが新開発された。プラットフォームは、アウディと共同開発されたEV専用の「PPE(Premium platform Electric)」をベースに、自社のブランドコンセプトに相応しい新世代スポーツSUVを実現すべく、さまざまな工夫を凝らしたようだ。ちなみに同EV専用プラットフォームは、アウディQ6-etronとしてやはり2024年内に発表される見込みである。

画像: アウディと共同開発したEV専用プラットフォーム「PPE(Premium platform Electric)」を採用。新型マカンは前後にモーターを搭載する四輪駆動車だ。

アウディと共同開発したEV専用プラットフォーム「PPE(Premium platform Electric)」を採用。新型マカンは前後にモーターを搭載する四輪駆動車だ。

新型マカンは「ポルシェ車に相応しいドライビングダイナミクスを実現すること」、「世界のあらゆる国と地域で、十分な航続距離と最良の充電能力を実現すること」を目指した。これらをバーチャルなシミュレーションだけでなく、過酷な実走テストを組み合わせて実現したという。すべてのコンポーネントとシステムを完璧に調整するために費やしたテスト走行距離は、日本も含め延べ350万kmにも及んだという。

画像: 走行テストはプラス50°のカリフォルニア・デスバレーから、マイナス30°のスカンジナビアに至るまで延べ350万kmにも及んだ。

走行テストはプラス50°のカリフォルニア・デスバレーから、マイナス30°のスカンジナビアに至るまで延べ350万kmにも及んだ。

画像: 各国で実施されたテスト走行距離は350万kmに及ぶ

新型マカンは、800Vアーキテクチャーによりマネージメントされる。搭載されるリチウムイオンバッテリーの総容量は100kWhであり、そのうち最大95kWhを有効活用できるという。さらに世界各国の充電規格に合わせ実際に現地でテストすることで、その性能を確認済み。急速充電では最大270kWの出力に対応しており、22分でSOC10%〜80%を充電できる。さらに、わずか4分間の充電でも100km相当の航続距離を回復できることも実証した。普通充電では最大11kWに対応している。

新型マカンEVは現行モデルと同じく全輪駆動。前後とも最新世代PSMモーター(永久磁石式同期電動モーター)が搭載され、上位モデルでは後輪側により大きな駆動モーターが採用されて450kW(612ps)のシステム最高出力と1000Nmの最大トルクを発生する。

画像: あらゆる充電規格と環境に対応すべくリアルワールドで充電能力の安定した性能を確認した。

あらゆる充電規格と環境に対応すべくリアルワールドで充電能力の安定した性能を確認した。

サスペンション形式は、前ダブルウイッシュボーン、後マルチリンク。お馴染みの「PASM(ポルシェ・トラクション・マネージメントシステム)」には、新たに2バルブダンパーテクノロジーが採用されて、より緻密な路面追従性能を実現。さらに上位モデルには車高調整可能なエアサスペンションや、後輪左右のトルクベクタリングを行うリアアクスルトランスバースロック機能、さらにマカンでは初となる最大5度の舵度を与えるリアアクスルステアリング機構を採用するのもトピックと言える。

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