フォルクスワーゲンの新しいEV専用アーキテクチャー「MEB(モジュラー・エレクトリック・マトリックス」を採用したSUVタイプのEVが「ID.4」だ。2022年11月に「ローンチ・エディション」が日本へ導入され、レギュラーモデルが2023年から発売となっている。

MEBアーキテクチャでひとクラス上の広いキャビンを実現

「ID.4」は名前からもわかるように、フォルクスワーゲンが「ID.」と名付けた新世代のEVシリーズのひとつだ。欧州ではハッチバックの「ID.3」から導入が始まったが、日本には先にSUVとなる「ID.4」が入ってきた。

「ID.4」は、ホイールベース内に駆動用バッテリーを搭載するMEBアーキテクチャーを使うため、ホイールベースが長く、前後のオーバーハングが短いというのが特徴だ。

その結果、室内空間はひとクラス上と同等の広さを誇る。また、駆動用モーターを後輪に配置した後輪駆動としたことで、モーターならではの大トルクを十分にトラクションに活用できるというのも特徴と言える。

画像: センターコンソールにシフトレバーはなく、操作系はハンドルまわりに集中させている。

センターコンソールにシフトレバーはなく、操作系はハンドルまわりに集中させている。

ちなみに、床下にバッテリーがあり、後輪にモーターが配置されるため、前後重量バランスも良好だ。走らせてみれば、前輪まわりによけいなものがないため、FR車のようなすっきりとしたステアリングフィーリングが実感できる。SUVならではの利便性の良さに、低重心&最適な前後重量配分&後輪駆動が生み出す走りの良さが加えられているのが「ID.4」と言えるだろう。

出力、バッテリー容量が異なる2グレードを設定

グレード編成は「Pro」と「Lite」の2つ。Proは77kWhのバッテリーを搭載して、モーター出力150kW(204ps)、一充電走行距離618km(WLTCモード)。それに対して、Liteは、52kWhのバッテリーにモーター出力125kW(170ps)、一充電走行距離435km(WLTCモード)というスペックとなる。

欧州や中国市場では、「ID.」シリーズを積極的に展開するフォルクスワーゲンだが、日本にはなかなか「ID.」シリーズが投入されなかった。「ID.4」の発売は、ファンにとっては待望の「ID.」シリーズ日本発売と言えるだろう。

画像: 「PRO」の最高出力は204ps、EVらしい出だしの良さもあり、必要にして十分以上のパワーと言える。

「PRO」の最高出力は204ps、EVらしい出だしの良さもあり、必要にして十分以上のパワーと言える。

【主要諸元 フォルクスワーゲン ID.4 PRO】
型式:ZAA-E2EBJ 寸法:全長4585×全幅1850×全高1640mm ホイールベース:2770mm 車両重量:2140kg 乗車定員:5名 最小回転半径:5.4m 電力量消費率:139Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:618km(WLTCモード) 電池総電力量:77kWh 最高出力:150kW(204ps) 最大トルク:310Nm 駆動方式:後輪駆動 車両価格:648.8万円 CEV補助金:65万円

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