開催中の「ジャパン・モビリティショー(JMS)2023」の自動車メーカーの展示では、各社それぞれに描いている未来がかなり異なって提示されています。依然として旧来のモーターショーの延長線上で、デザイン効果を狙ったコンセプトカーや数年以内に発売するEVなど「クルマ」中心の展示が多かった中で、目を引いたのがホンダのブースでした。モビリティショーの趣旨に沿って、一人乗りの電動チェアから、電動キックボードや電動バイク、eVTOL(電動垂直離着陸機)やジェット機まで展示して、多様なモビリティの可能性を印象付けています。(写真は10月25日に開催されたホンダのプレスカンファレンス)

2つのテーマを持って展開されたブースは見応えたっぷり

今回ホンダは、「時間や空間からの“解放”」と「人の能力や可能性の“拡張”」の2つのテーマを持って展示しています。ブースに足を踏み入れるとまず目を引くのは、胴体だけでもその大きさと形状が印象的なホンダ・ジェットであり、加えてeVTOL(5分の1モデル)です。地上だけでなく、「宇宙空間にまで自由に移動するモビリティがホンダの夢」という三部敏弘社長の思いが伝わってきます。

画像: 2015年の発売以来、250機以上が納入され小型ジェット機市場No.1を誇るホンダジェット。ウィングの上に自社開発のエンジンを載せ、航続距離は4800km以上。

2015年の発売以来、250機以上が納入され小型ジェット機市場No.1を誇るホンダジェット。ウィングの上に自社開発のエンジンを載せ、航続距離は4800km以上。

時間の制約からの「解放」では、GMとその子会社のクルーズと共同開発した6人乗りの「オリジン(Origin)」の自動運転タクシーサービスを、2026年初めに東京都心部で開始すると発表しています。トヨタが2021年の東京パラリンピックの選手村の移動に16台を提供した「e-Pallette」と似た車両ですが、500台の運行を目指すという本格的な取り組みです。

GMがバッテリーや駆動システムなど車台部分を開発、ホンダはボディなど「トップハット」の部分を、クルーズが自動運転システムを担当しました。デトロイト郊外のGMテックセンターでホンダ側の開発を統括するエンジニアの大野貴弘氏によれば、「近々量産に入る」とのことですが、その規模は「万単位」ということで、全米での展開を含めてこの事業の大きさが窺い知れました。

画像: 「オリジン」は、GMがシルバラードEVなどを生産するデトロイトの「ファクトリー・ゼロ」で生産される。展示車両は灯火類など適合させた日本仕様。

「オリジン」は、GMがシルバラードEVなどを生産するデトロイトの「ファクトリー・ゼロ」で生産される。展示車両は灯火類など適合させた日本仕様。

「オリジン」が都心部の近距離モビリティへの対応とすると、過疎化する地方で衰退する公共交通機関の代替えとして可能性を感じるのが「CI-MEV」でしょう。CIはCooperative Intelligence(協調人工知能)の意味で(※1)、クルマと利用者が対話することを指します。軽自動車をふたまわりも小さくしたマイクロモビリティカーですが、ホンダは2010年代に熊本県や宮古島で超小型EV「MC-β」で実証実験を行い、2022年秋からは「AIまちづくり」を進める茨城県常総市と協力して「CiKoMa(サイコマ)」などの走行テストを行なっています。このCI-MEVは高精度マップを使用せず、8つのカメラで「レベル4」の自動運転を可能にします。2024年中に常総市でのテスト走行を開始したいとのことです。※1:MEVはマイクロEVの略。

画像: 「ホンダ CI-MEV」。全長約2500mm・全幅約1300mmというコンパクトな設計ながら2名乗車。前後にステレオカメラ、Aピラーの内側、サイドミラー下部、ボディ側面に単眼カメラを設置する。

「ホンダ CI-MEV」。全長約2500mm・全幅約1300mmというコンパクトな設計ながら2名乗車。前後にステレオカメラ、Aピラーの内側、サイドミラー下部、ボディ側面に単眼カメラを設置する。

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