2019年以来、4年ぶりに帰ってきた「東京モーターショー」改め「ジャパンモビリティショー 2023」、10月25日のプレスデーにおいて、ブリーフィングの幕開けを担ったのはトヨタだった。壇上に立った佐藤恒治社長からの力強いメッセージと展示車両の概要をお届けしよう。(タイトル写真は佐藤恒治社長と2台のEVコンセプト)

「クルマ屋らしいバッテリーEV」が2台登場

社長として初めて迎える日本における大規模なクルマ関連イベント、「ジャパンモビリティショー(JMS) 2023」で、佐藤恒治社長がまず語りかけたのは「ここトヨタブースでお伝えしたいのは、多様性にあふれるモビリティの未来です。人の数だけ、多様な価値観、多様なニーズがあります」というものだった。

マルチパスウェイを標榜するトヨタらしい冒頭のメッセージだ。そして、今回のJMSでは3つのモビリティで描く未来を提示したいという。そのひとつ目が「バッテリーEVで暮らす未来」で、トヨタのEVは「環境に優しいだけでなく、電気エネルギーならではの運転の楽しさも、走りの味もあって多様な体験価値を実現する」とのこと。これはトヨタがこのところよく使う「クルマ屋らしいバッテリーEV」ということだろう。そして、JMSに2台のバッテリーEV(以下、BEV)コンセプトモデルを持ち込んだ。「FT-3e」と「FT-Se」だ。

「FT-3e」はSUVタイプで、デザイン的には「立体を構成する面や線を極力シンプルにしながら、先進感と美しさを両立したエクステリアを追求した」とのこと。また、ボディサイド下部からドア上部にかけてデジタルサイネージを配置しており、ドライバーが近づくとバッテリー残量や車内温度、車内の空気の質などを表示する。

「FT-Se」は躍動感溢れるスポーツタイプで、TOYOTA GAZOO Racingが取り組む「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の思想のもとに開発された高性能BEVモデルだ。スタイリングは典型的なワイド&ローのフォルムで、かなり低重心だと思われ運動性能がハイレベルであることは容易に想像できる。

これら2台のBEVについて走行性能に関わるスペックなどは公表されなかったのは残念だが、トヨタとしては「クルマ屋らしいバッテリーEV」とは具体的なこういうものであるとイメージを伝えたかったのだろう。

その他、JMS開幕前に公開されていた、BEVのランドクルーザーである「ランドクルーザー Se」、ミッドサイズのBEVピックアップ「EPU」、3輪タイプの電動バーソナルモビリティコンセプト「ランドホッパー」、どこでも自由にひとりで移動できる車イスタイプのコンセプトモビリティ「JUU」などが展示されていた。

プレスデーのブリーフィングにおいては、全固体電池の開発状況をはじめ、技術的なアピールがなかったことは残念だが、トヨタが主張する「マルチパスウェイ」や合い言葉である「クルマの未来を変えていこう!」ということについての理解は深まった。また、ブリーフィングに集まった国内外の報道陣の多さに、改めてトヨタへの世界的な関心の高さが感じられた。

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