「EVには消極的だ」と言われていたトヨタが、満を持して投入したブランド初のEVが「トヨタbZ4X」だ。スバルとの共同開発でEV専用プラットフォームを採用、販売方法はサブスクのみということで話題を集めた。スバル ソルテラとの相違点も含めて紹介しよう。

EV専用プラットフォームを採用

トヨタブランド初の本格EVとして2022年5月に発売となったのが「トヨタ bZ4X」だ。その開発はスバルと共同で行われた。スバル版は「ソルテラ」と名乗っている。

特徴は新開発のEV専用プラットフォームを採用したことだ。2850mmという長大なホイールベース内の床下に電池を並べることで、広々とした室内空間を確保した。

ちなみに、サイズ感の近いトヨタのSUV「RAV4」のホールベースは2690mmであり、「bZ4X」はそれよりも160mmも長いのだ。そのため前後席の距離は、「bZ4X」は55mmも長くなっている。後席の足元周りの空間の広さは特筆ものと言える。

画像: bZ4Xのホイールベースは2850mmと全長4690mmのクルマとしてはかなり長い。そのぶんキャビンに余裕がある。

bZ4Xのホイールベースは2850mmと全長4690mmのクルマとしてはかなり長い。そのぶんキャビンに余裕がある。

パワートレインは1モーターのFFと2モーター4WDの2種を用意する。FFモデルはフロントの1モーターの出力が150kW/最大トルク266Nm。それに対して4WDは前後とも80kW/169Nmという出力だ。

1モーターFFの出力は150kWと2モーター4WDの169kWに遜色ない設定となっている。搭載する駆動用二次電池のリチウムイオン電池は71.4kWh。一充電あたりの走行距離はFFで559km、4WDで540km(WLTCモード)となる。

トヨタブランド初の本格EVはサブスク専用モデル

また、「bZ4X」ならではのポイントは、買い取りではなく、すべてがリース販売(トヨタでいうサブスクリプションのKINTOサービス)であることだ。車両価格はFFで600万円、4WDで650万円となるが、支払いは契約内容によって異なる。

兄弟車であるスバルの「ソルテラ」との違いは、前後バンパー回りのデザイン、販売方法(ソルテラは普通の販売)、そしてパドルシフト&Sペダルドライブ(いわゆる1ペダル走行を可能とする機能)の有無、プレミアムオーディオの内容になる。「bZ4X」にはパドルシフト&Sペダルドライブがないのだ。また、プレミアムオーディオは、「bZ4X」はJBL、「ソルテラ」はハーマンカードンとなる。

ちなみにADAS(先進運転支援システム)系は、単眼カメラ+ミリ波レーダーというトヨタ方式を採用。4WD制御「X-MODE」機能はスバルの技術が採用されている。

画像: インパネ周りのデザインもEVらしい先進的なイメージを持つ。センターの大型ディスプレイがよく目立つ。

インパネ周りのデザインもEVらしい先進的なイメージを持つ。センターの大型ディスプレイがよく目立つ。

【主要諸元 トヨタ bZ4X Z 4WD】
型式:ZAA-YEAM15-MWDHS 寸法:全長4690×全幅1860×全高1650mm ホイールベース:2850mm 車両重量:2010kg 乗車定員:5名 最小回転半径:5.6m 電力量消費率:134Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:540km(WLTCモード) 電池総電力量:71.4kWh モーター:最高出力150kW(203.9ps)[80kW+80kW] 最大トルク:266Nm[169Nm+169Nm] 駆動方式:四輪駆動 車両価格:650万円 CEV補助金:85万円

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