無免許で乗れる特定原付が登場してからはやくも2カ月近くが過ぎた。ここでは同じように無免許で乗れる電動アシスト自転車と、免許が必要な一般原付と比べたメリット/デメリットをシチュエーションごとに考察してみた。自分の利用状況に適したモデルを選んで、快適な移動手段を手に入れる手助けにして欲しい。

各タイプの維持費とおすすめの利用シーン

新車価格帯や保険料・税金などを考慮すると、一番維持費が安いのは電動アシスト自転車で、特定原付と一般原付(電動)はほぼ変わらない。これは、特定原付の任意保険や自賠責保険が暫定的に一般原付のものを適用しているからだ。2024年4月以降は自賠責保険が特定原付専用に切り替わるので、事故率次第では価格が安くなる可能性がある。

メンテナンス費用等もふまえて総合的に考えると、電動アシスト自転車、特定原付、一般原付(電動)、一般原付(ガソリン)の順に維持費が安いことになるだろう。ただし、メンテナンスにかかる費用として、ガソリン仕様の一般原付だとエンジンオイル等が少しずつかかるのに対し、電動モビリティだと高価なバッテリーが交換となることもあるので、そうしたことも想定しておこう。

ここで仮に、平日中心に、片道10km/往復20kmを移動する場合を仮定し、車両価格を除外した年間の維持費を算出してみる。すると、特定原付では4万5000円〜6万5000円、電動アシスト自転車では1万5000円〜3万円、一般原付はガソリン仕様で7万5000円〜9万円、電動モデルで4万5000円〜7万5000円程度になる。

特定原付電動アシスト自転車一般原付
新車車両価格8万円~30万円10~30万円17~35万円(電動モデル:20~40万円)
自賠責保険2024年3月末まで一般原付と同額。以降は専用保険料が適用なし(※ただし、自転車保険加入を義務化している自治体が多い)単年契約で6910円(5年契約だと1年あたり2662円)
任意保険特定原付専用保険はまだない。一般原付と同様の金額を想定3000~1万円(自動車保険に付帯している場合もある)3~4万円(ファミリーバイク特約だと1万円未満)
自動車税2000円なし2000円
メンテナンス費1~2万円(バッテリー交換ほか)1万円(バッテリー交換ほか)1万5000円(電動モデル:1~3万円)
1kmあたりの電気代・燃料代0.4円0.2円170円/Lだと5.7円(電動モデル:0.5円)
※航続距離20~80km30~200km30~90km

一番安い電動アシストで月額1000円強、最も高額な一般原付でも月額6000円強くらいなので、維持費で選ぶよりも利用用途、特に移動距離に応じて選択するのが良いのではないだろうか。

おすすめの選び方

毎日片道5km未満の移動で、体力を使いたくない場合は特定原付、維持費の安さや積載性を重視する場合は電動アシスト自転車がおすすめ。また、片道10km程度であれば、体力・乗り心地の面で一般原付を選んだ方が良い。あるいは、免許を取るまでは電動アシスト自転車や特定原付を利用し、免許取得後に一般原付に移行するというのも考えられる。

画像: 電動キックボードは立ち乗りタイプなので、長距離走行には不向き

電動キックボードは立ち乗りタイプなので、長距離走行には不向き

特に、電動キックボードタイプの特定原付は、車輪が小さく、立ちのりが基本となるので、長距離の移動にはあまり適していない。購入前に必ず試乗し、自分の利用シチュエーションに適しているかよく考えるべきだろう。

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