株式会社パワーエックスの蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger」のStandardモデルとCompactモデルが、国際標準規格CHAdeMOの最新プロトコル 2.0.1の認証を取得した。

開発したパワーエックスとはどんな会社?

2021年に設立された株式会社パワーエックスは、自然エネルギーを利用したクリーンな電力社会を実現することを目標に、⼤型蓄電池の製造・販売、EV チャージステーションのサービス展開、及び電気運搬船の開発・製造などを行う会社だ。

「電気運搬船」はすでに各方面で話題となっているが、文字通り電気を運搬する船で、2025年までに設計、製造にかかると発表している。これが完成すれば「既存の電力インフラが海上で繋がる」ことになり、再生可能エネルギーの普及が加速すると、パワーエックスは見込んでいる。

そんな野心的なベンチャー企業が手がけた蓄電池型EV充電器だけに、その中身が注目されるが、今回は日本の急速充電器の標準規格であるCHAdeMO2.0.1の認証を取得したということなので、さっそくその内容を見てみることにしよう。

画像: 電力運搬船の開発なども行っている注目のベンチャー企業がパワーエックス。

電力運搬船の開発なども行っている注目のベンチャー企業がパワーエックス。

蓄電池型の充電器であるメリット

一般的な急速充電器は、大電力の給電を行うため、必然的に電源供給も高電圧である必要があった。しかし、この商品のすごいところは、バッテリーに蓄電し、機器自体が高電圧に変換して給電するシステムなので、機器への電源供給は低電圧でも大丈夫という点だ。

このため、電力の契約内容を問わず、将来的には自然エネルギーでの電源供給も可能になっている。さらに、今後のアップデートで最大240kWという超ハイスピード充電にも対応予定なので、日本のEV充電事情を大きく変える可能性を秘めているのだ。

画像: 低圧で蓄電可能なため、導入のハードルが低くなっている

低圧で蓄電可能なため、導入のハードルが低くなっている

概要は以下のとおりだ。
・最大出力240kWに対応(アップデート対応予定)
・蓄電池の搭載によって、低圧受電での系統接続を実現。
・一般的な超急速充電器に比べ、設置しやすく、運用コストも低減。
・国際標準通信規格の「OCPP (Open Charge Point Protocol)」のバージョン1.6に対応。
・発電量が変動する再生可能エネルギーを溜めて、いつでもEVの充電に使用可能。
・非常時のBCP電源としても使える双方向電力機能(アップデート対応予定)

この夏から、実際の製品がパワーエックスのEVチャージステーション等に順次設置される予定で、今回のCHAdeMO最新プロトコルの認証取得により、CHAdeMo対応したEVを安心して充電できるようになったとのことだ。

日本で今回パワーエックスが示した蓄電池型の急速充電設備が普及していくのか、今後の動向に注目したい。

主な仕様

コンパクトスタンダード
製品型番HC0179(枝番有り)HC0358(枝番有り)
蓄電池容量(定格)179kWh358kWh
入力電圧50kVA (200/400V三相)50kVA (200/400V三相)
充電ポート数1ポート2ポート
充電方式CHAdeMO 2.0.1; 1.x; 0.9CHAdeMO 2.0.1; 1.x; 0.9
連続出力
  • 120kW連続充電
  • 2ポート同時充電は120kW連続充電
  • 1ポートのみの場合、ブーストモード後に120kW連続充電
ピーク時出力(~10分)50kW 連続充電(10分) ブーストモード
  • 1ポートのみの場合に150kW 連続充電(10分) ブーストモード

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