ガソリン車の "エコラン" スキルはEVにも通用する?
二日目のドライバーは、スマートモビリティJP編集部のKくん。聞けばプライベートではロードスターを操りながらのもっぱら“下道派”で、なおかつエコラン運転を心掛ける日々を過ごしているという。ロードスター乗りでエコランってのもちょっと不思議な気はしたが、まぁETCぐらいは万一の時のために取り付けておいた方がいいかもね。
が、普段からエコランしているというだけあって、アクセルのON/OFFもやんわりとこなし、速度が上がったらほとんど加減速はしない。そのおかげで、高速道路に入ってもしばらくは7km/kWh台を維持できており、バッテリー残量も40%台に収まっている。そこで、バッテリーをより消費するためにも、この日のランチを鋸南町の漁協組合が経営する「ばんや」まで少し遠回りしてみることにした。
高速道路豆知識「ルート・IC・JCTを間違えたら、とりあえず一般レーンにいく」
この日は好天に恵まれ、ID.4の高い静粛性とも相まって快適なドライブを続けられた。これが仕事でなければ良かったのにね・・なんて会話が弾んでいると、あれ?Googleマップの案内が再探索を行っているではないか。そう、我々は音声ガイドがOFFにしたままとなっていたこともあり、木更津南JCTで進むべきルートを間違えてしまっていたのだ。
最初はそのまま料金所を出て再び入り直そうかと思ったが、ここであることを思いついた。確か、間違えた時はETCゲートではなく一般ゲートに入り、間違えた旨を伝えればいいはず。そう思いながら料金所でその旨を告げると、少しやり取りはあったものの、料金所を出た後のルートを案内され、それに従うと再び高速道路に入ることができた。ここで10kmほどロスすることとなったが、図らずとも間違えて料金所を出た時の対処法として、貴重な体験をすることになったわけだ。
「ばんや」に着くとバッテリー残量は30%ほど。この時点で電費は途中で道を間違えたりしたこともあり、さすがに7km/kWhを下回ってしまっていた。
久しぶりの「ばんや」だったが、店の雰囲気は以前のまま。レシートみたいな紙に書いて注文するのも同じだった。しかしメニューを見て大幅に値上がりしていたのに気付く。とはいえ、盛りつけのダイナミックさは相変わらず。2人とも満腹になって幸せな気持ちでID.4に再び乗り込んだ。この時点で時刻は14時前。最後の目的地「フォルクスワーゲン木更津」まで40km弱しかなく、高速を使えば30分ほどで着いてしまう。
CarPlay連携Googleマップの使用感
ここで“下道派”のKくんから「一般道で行きましょう」との提案。時間的にまだ余裕があるのと、エコランを常日頃しているだけに、おそらく電費が7km/kWhを下回ったことを気にしている様子。一般道で回生を使いつつ7km/kWh台を回復させたいとの意思がありありだった。そこで今度は道に迷わないよう、Googleマップの音声ガイドをON。「ばんや」を出発した。
千葉の道路インフラはとにかく脆弱。それは国道127号線でも変わらない。海岸線だけにカーブが多く、途中のトンネルはバスなどの大型車が来ると一方が待っていなければならないほど狭い。それでも渋滞がないのが幸いだった。Kくんが狙っていた電費向上は順調に進み、木更津市内に入ると7km/kWh台に。Kくんの“してやったり”感が伝わってきた。
ここでGoogleマップならではの“悪癖”を実感することになる。ここでもすれ違いができない道路を推奨ルートとして案内しているのだ。ID.4の日本仕様にはカーナビゲーションは搭載されておらず、そのためにはスマホを接続し、CarPlayかAndroidAutoのアプリを使うことになる。BEVとはいえ、500万円を超える価格帯のクルマでこの対応は心許ないかもしれない。