国(CEV)の補助金からハイブリッド車(HV)は外されているのに、なぜプラグインハイブリッド車(PHEV)には交付されるのか? そもそもPHEVってなに? 世間の関心がEV一色になってきた感があるいま、改めてPHEVを選ぶべき理由を考えてみた。(タイトル写真は三菱自動車のアウトランダーPHEV)

課題は車両価格、国産車のラインナップもまだ少ない

便利なPHEVだが、もちろんデメリットがないわけではない。大容量の駆動用バッテリーや複雑な制御システムを搭載するため、どうしても車両価格が割高になってしまうのだ。

PHEVは専用モデルではなく、ガソリンエンジン車やハイブリッド車と併売(ラインナップ)されることがほとんど。たとえばトヨタRAV4の場合、ガソリン車の「X(4WD)」は316万9000円〜、ハイブリッド車の「ハイブリッドX E-Four(4WD)」は379万1000円〜、PHEVの「Z E-Four(4WD)」は563万3000円〜とその差は歴然としている。

カタログを眺めていれば、あえてPHEVを選ぶのはかなりクルマに詳しい人だけとなるだろう。CEV補助金を利用すれば最大55万円(令和5年度)が交付されるのでこの差は少し埋めることができるが、それでも130万円近くの差はある。

さらに、重量面でも不利だ。2種類のパワーソース(エンジンとバッテリー)を搭載するので、どうしても重くなりがちだ。「X(4WD)」は1570kg、「ハイブリッドX E-Four(4WD)」は1670kg、「Z E-Four(4WD)」は1920kgもある。効率だけに着目すれば、これもデメリットと言えるだろう。

画像: 2023年6月21日に発表されたトヨタの新型アルファード/ヴェルファイアには、近い将来、PHEVが追加されるとアナウンスがあった。

2023年6月21日に発表されたトヨタの新型アルファード/ヴェルファイアには、近い将来、PHEVが追加されるとアナウンスがあった。

また国産PHEVの車種ラインナップが少ないことも普及しない理由のひとつ。プレミアムブランドを中心に多くの輸入車がPHEVをラインナップする一方で、国産車の選択肢はまだまだ少ない。

本来であれば、もっと普及しても良いはずのPHEV。EVが本格的に普及するには充電インフラがさらに整う必要があるが、それにはあと数年はかかる見込みだ。ならば“プラクティカルなEV”であるPHEVにもっと注目しても良いのではないだろうか。

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