EVを購入する際に最も重要なことは、バッテリーがどれほど持つのか、あるいは何分で充電できるのかである。この二つが実用に値するのかをフォルクスワーゲン初のEV専用設計である「ID.4」で週末の旅行を意識した一泊二日の旅程で試してみた。
ガソリン車とは逆、一般道で良くなる "電費"
最初の目的地周辺では高速道路を使ってきたにも関わらず20%弱のバッテリー消費で済んだ。この時点では余裕綽々の数値。その後の高速走行では負荷が増え、距離が長くなった分だけ、バッテリーの消費は結構進んでいく。とはいえ、茨城県潮来市からの国道124号線では一般道での距離が長くなり、ここで回生による回収も加わったことでバッテリー消費はグンと抑えられるようになった。
若干、風力発電所の場所を探すのに迷ってしまったこともあり、ここで無駄なバッテリー消費につながってしまったが、それでも目的地へ到着すると残量は63%。ほぼ予定通りの数値に収めることができた。やはりバッテリー容量が大きいことに対する安心感は極めて大きい。ただ、バッテリー容量が大きければ充電時間が長くなるわけで、だからこそ大出力の急速充電器が必要となるわけだ。
後編は二日目として、これまでの急速充電器とはレベルが違う圧巻の急速充電サービス「PCA」。さらにフォルクスワーゲンが提供するBEVへのサポート体制などを含めたレポートをお届けしたい。
●著者プロフィール
会田 肇(あいだ はじめ)1956年、茨城県生まれ。大学卒業後、自動車雑誌編集者を経てフリーとなる。自動車系メディアからモノ系メディアを中心にカーナビやドライブレコーダーなどを取材・執筆する一方で、先進運転支援システム(ADAS)などITS関連にも積極的に取材活動を展開。モーターショーやITS世界会議などイベント取材では海外にまで足を伸ばす。日本自動車ジャーナリスト協会会員。デジタルカメラグランプリ審査員。