EVを購入する際に最も重要なことは、バッテリーがどれほど持つのか、あるいは何分で充電できるのかである。この二つが実用に値するのかをフォルクスワーゲン初のEV専用設計である「ID.4」で週末の旅行を意識した一泊二日の旅程で試してみた。

品川〜銚子の経路設定

さて、この日の試乗で用意されたのは、バッテリー容量が大きい「ID.4プロローンチエディション」。銚子までのルートはまったくの自由で、集合時間の夕方5時までに到着することだけが条件とされた。そこで考えたルートが、帰りに少し遠回りすることを想定して、銚子にはバッテリー残量が最低でも60%程度は残しておきたいと考えた。一方で単純に銚子まで行けば70%以上は残る計算になる。これではBEVの活用法としては物足りない。

そこで、あちこち寄り道をしながら銚子を目指すことにした。最初の目的地は土地勘のある千葉県佐倉市にある「ふるさと広場」。ここで風車をバックに撮影し、その周辺で昼食。続いて東関道を北上して茨城県神栖市にある「ウインドパワーかみす第二洋上風力発電所」で再び撮影し、国道124号線で目的地の銚子を目指すことにした。これでGoogleマップで測るとこの日の総距離は173kmになる計算になった。これなら残量60%程度にまで減らすことができそうだ。

画像: 最初の目的地「ふるさと広場」

最初の目的地「ふるさと広場」

品川を出発すると、ルートは湾岸道路(国道357号線)を経由して有明ランプから首都高に入っていく。アクセルを踏むとすぐに力強い加速が得られ、踏み増すほどにリニアに上がっていく速度は電動車ならではの醍醐味。実に気持ちがいい。一方でベタ踏みしたとしても、電動車にありがちな同乗者を驚かせるような急激な速度上昇はない。この辺りがファミリーカーを目指すID.4ならではのスタイルなのだろう。

ハンドリングも実に素晴らしい。切った分だけ正確にトレースすることができるため、ハンドル操作に無駄が生まれない。無駄がないから効率よい運転につながり、これが疲労低減にもつながるのだ。静粛性も高く、試乗車は個体差かもしれないリア周辺からのきしみ音が出るのが気になったが、それも車内があまりにも静かであることの証しなのかもしれない。

一方で若干、戸惑ったのがブレーキのフィーリングだが、通常は目標位置を決めてブレーキペダルを踏んで停止するわけだが、それを気にしないでペダルを踏むと予定位置よりも前へ出てしまいがちとなるのだ。もちろん、強く踏み増しすれば安全に停止できるのだが、その場合は最後のところで強めのGがかかることになり、スムーズな停止とはなりにくい。慣れの問題かもしれないが気になった点だ。

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