自立走行、すなわち自動運転の将来はどうなるのだろうか。その問いかけに、ジープ(Jeep)がひとつの答えを出した。ジープブランド車専用に開発中のオフロード自動運転技術の一端が公開されたのだ。世界中の自動車メーカーが開発にしのぎを削る「完全無人運転」は、ついに公道から飛び出して道なき道でも実現しそうである。

自動運転の新境地と言えそう

5月31日(現地時間)に米国で開催された「National Autonomous Vehicle Day(全米自律走行車デー)」でジープが公開した映像は、道なき道を走る2台の「Jeep Grand Cherokee 4xe」の姿だ。

ベース車はPHEVだが、映像の中の2台はEV化された最新のプロトタイプだ。オフロード走行もこなす開発中の自動運転技術を搭載している。まるで西部劇に出てきそうな荒れた難所を、無人のプロトタイプが難なくクリアしていく。その姿は、実は熟練のオフローダーがこっそり乗っていて操作しているのではないかと思うほど自然で危なげがない。

画像: いかにもジープらしい自動運転へのアプローチと言える。

いかにもジープらしい自動運転へのアプローチと言える。

公開された映像はステランティス(Stellantis )の AI・自律走行部門責任者、ネーダ・シヴィエティックが率いるチームが、米ユタ州モアブにてテストしている風景を収めたもの。完全な自動運転であることは、手放し運転や外部からタブレットを使ってコントロールしている開発メンバーの姿が映っていることからも明らかだ。

こんなこともできてしまうのか、と驚かされる。AI搭載型オフロード自律走行技術が市販車に実装されれば、熟練したオフローダーはもちろん、初めてトレイル(未舗装路)を走るドライバーでもその醍醐味を味わうことができるようになるだろう。

画像: 自動運転で安全に悪路を走破することができればレスキュー隊などでは大いに役立つに違いない。

自動運転で安全に悪路を走破することができればレスキュー隊などでは大いに役立つに違いない。

ジープブランドCEOのクリスチャン・ムニエは次のようにコメントしている。「独自の電動化技術“4xe”はジープブランドのオフロード性能をさらなる高みに引き上げてきました。本日その一端をご紹介した高度なオフロード駆動システムはそのレベルをさらに引き上げます。世界中のより多くの国のより多くの顧客がアドベンチャーに参加し、それを楽しむのに役に立つことでしょう。これらの機能とテクノロジーは、悪路走行だけではなく日常生活で直面するさまざま運転環境でジープのオーナーをサポートします。ジープブランドは、4xeのラインアップを拡充し、オフロードの電動化においてリーダーシップを発揮するとともに、オフロード自動運転技術開発の最前線に立っています」

今回のイベントでは、この高度な自律型オフロード走行技術の詳細には触れられなかったが、より詳しい動画を今夏に公開する予定だという。当面は5月31に公開された動画を見ながら、続報を楽しみに待ちたい。

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