年齢を問わず免許も不要。いつでもどこでも誰でも気軽に愉しめる自転車は、日本のモビリティの原点であり、なくてはならない存在だ。一方で、その手軽さゆえにトラブルが激増している。2023年4月1日からは、ヘルメットの着用が努力義務になったのも記憶に新しい。事故の加害者・被害者にならないために、自転車にまつわる交通ルール(道路交通法)をこの機会に再確認しておきたい。
自転車は「軽車両」という自覚が事故や違反を未然に防ぐ
まず再確認しておきたいのは、自転車(電動アシスト自転車を含む)は「軽車両」に分類されるということ。つまり、またがって走っているときは自動車やバイクの仲間であり、歩行者ではない。免許や年齢制限がないのでなんとなく乗っている人も多いと思うが、公道を走る以上は道路交通法に基づく交通ルールを遵守しなければならないのだ。当然、違反すれば、罰金や罰則が科される。
自転車が当事者となった交通事故も増加に歯止めがかかっていない。2021年度だけでも6万9694件発生していて、交通事故全体のおよそ23%を占めるほど。その大半(66.1%)が、信号無視や一時不停止など自転車側のルール違反が原因だ。
さらに自転車乗車中の死亡事故の76%はルール違反に起因する。この状況を改善すべく、2022年11月に警視庁が守るべき基本ルールを標語化したのが「自転車安全利用五則」であり、2023年4月に施行された改正道交法によって努力義務化されたヘルメットの着用だ。
<自転車安全利用五則>
一、車道が原則、左側を通行。歩道は例外、歩行者を優先。
二、交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
三、夜間はライトを点灯。
四、飲酒運転は禁止
五、ヘルメットを着用
日頃心がけるべき最低限のルールをだれでもわかりやすい標語にしたもので、まずはこの原則を守ることで事故の発生件数が大幅に減少することが期待されている。