年齢を問わず免許も不要。いつでもどこでも誰でも気軽に愉しめる自転車は、日本のモビリティの原点であり、なくてはならない存在だ。一方で、その手軽さゆえにトラブルが激増している。2023年4月1日からは、ヘルメットの着用が努力義務になったのも記憶に新しい。事故の加害者・被害者にならないために、自転車にまつわる交通ルール(道路交通法)をこの機会に再確認しておきたい。

交通ルールを知らなければ乗る資格なし

では、交通ルールに違反してしまった場合はどうなるのだろうか。罰金や罰則を改めて確認していく。自転車はクルマやバイクの仲間であるという原則を踏まえていれば、理解しやすいだろう。

<自転車の主な交通ルールと罰則>
●車道通行の原則:3カ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
道路工事などやむを得ない場合は除き、歩車道の区別のある道路では、自転車は車道の左端に沿って通行しなければならない。ただし、「普通自転車歩道通行可」の道路標識がある場合や、13歳未満の子供や70歳以上の高齢者、身体の不自由な人が自転車を運転している場合は適用を除外し歩道を通行できる。

●歩道通行時の義務:2万円以下の罰金又は科料
道路標識等により通行することができる歩道をでは、歩道の中央から車道寄りをすぐに止まれる速度(目安:判例では6〜8km/h)で徐行して通行しなければならない。また、歩行者の進行の妨げとなる場合は一時停止しなければならない。

●路側帯通行等:3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
歩行者の通行の妨げとなる場合や歩行者専用路側帯(白の二本線の表示)を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯を通行することができる。ただし、歩行者の通行を妨げない速度と方法で通行しなければならない。

●信号無視:3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
道路を通行する場合は信号機等に従わなければならない。とくに横断歩道を進行して横断する場合や歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標識がある場合は、歩行者用信号機に従う。

●一時不停止:3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
「止まれ(一時停止標識)」の標識があるところや踏切ではかならず停止して安全を確認しなければならない。

●無灯火:5万円以下の罰金
前照灯だけでなく、尾灯(反射器材等)の装着も必要。尾灯の反射板が割れて本来の機能を発揮できていない場合も違反になる。

●飲酒運転の禁止:5年以下の懲役または100万円以下の罰金
「酒酔い運転」が該当。軽車両には「酒気帯び運転」の罰則は適用されないが、酒に酔った状態(正常な運転ができない恐れがある)と判断されれば呼気中のアルコール濃度にかかわらず酒酔い運転とされ処罰の対象になる。事故死者の7割が。

●ヘルメットの着用:努力義務
改正道交法の施行により、令和5年4月1日より努力義務化。年齢を問わず、すべての自転車利用者に適用される。

●二人乗り等の禁止:2万円以下の罰金または科料
運転手の年齢が16歳以上であり、幼児用座席を自転車の前もしくは後ろ、または両方に装着している場合は原則として適用外(乗せる幼児はいずれも6歳未満に限る。ヘルメットを被らせる努力義務あり)

●通行の禁止等:3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
「通行止め」の標識があるところは、たとえ入っていけそうな道でも進行してはいけない。

●並走の禁止:2万円以下の罰金または科料
車道での並走は禁止、また歩道で歩行者の通行を妨害すると認められる場合。

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