2026年7月8日、ispaceは、スペースX「スターシップ」のペイロード搭載枠500kg分を活用した月面輸送サービスの提供を開始すると発表した。

自社着陸船による輸送サービスに加えてスターシップによる輸送サービスも展開

ispaceは、独自開発の月着陸船(ランダー)による月面輸送サービスを展開する宇宙スタートアップ。同社はこれまで、2022年と2025年の2度にわたり、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」としてスペースXのFalcon9ロケットでランダーを打ち上げた実績を持つ。

ispaceは今回、従来提供してきた自社ランダーによる月輸送サービスに加え、新たなサービスとして、スペースXによるスターシップのペイロード(荷物)スペースを活用した月輸送サービスの提供開始を発表した。

画像: ispaceは「月アクセス・インテグレーター」としてエンド・ツー・エンドのサービスを提供する。

ispaceは「月アクセス・インテグレーター」としてエンド・ツー・エンドのサービスを提供する。

スターシップは大容量のペイロードを月面へ輸送できる次世代ロケットで、最短2030年の月面着陸を目標にしている。月面インフラの整備への貢献が期待されており、月面での技術実証や商業利用を目的とした小型ペイロードの輸送需要が急速に拡大することが見込まれている。

ispaceは今回、スペースXと契約を締結し、スターシップのペイロードスペース500kg分を確保。比較的小型なペイロードの月面輸送を必要とする顧客向けにグローバルで販売されることになるという。

同サービスでは、顧客のペイロード要求の整理と品質管理を行った後、独自開発の「モバイル・カーゴ・システム」を使用して複数のペイロードを統合した上で、スターシップとのインターフェース調整を実施。また、月面到達後は、ペーロードの月面展開や移動、他インフラへのアクセスといった運用支援サービスも提供する。これにより、「月への輸送」だけでなく、地球から月面にかけて、顧客ペイロードの「統合・輸送・運用」までを包括的に提供する「月アクセス・インテグレーター」として事業を進化させていく方針だ。

ちなみに、自社開発ランダーを使用した月面着陸ミッションについても、2028年・2029年・2030年にそれぞれ3回計画されており、今回発表された「スターシップと同社のモバイル・カーゴ・システムを利用した輸送サービス」とは棲み分けが図られている。

画像: ispace独自開発のランダー「ウルトラ」による輸送サービスも引き続き提供される。

ispace独自開発のランダー「ウルトラ」による輸送サービスも引き続き提供される。

ざっくりといえば、大容量かつ比較的低価格での打ち上げを希望するニーズに対しては、今回発表されたスターシップ×モバイル・カーゴ・システムにより、ペイロードの統合や月面到達後の運用支援までを行う包括パッケージとして提供。一方、タイミング・場所・環境・属性などをカスタムしたオーダーメイドなニーズについては、従来どおり自社開発のランダーで高付加価値なサービスとして対応することになる。

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