2026年3月25日、アストロスケールは、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」の軌道降下運用を開始した。同実証衛星で培われた技術は、宇宙ごみ除去を目指す次世代ミッション「ADRAS-J2」に活用される。
次期ミッションでは実際に宇宙ごみを捕獲し除去する実証を行う
宇宙ごみ(スペースデブリ)とは、軌道上にある人工衛星やロケットの残骸などの不要な人工物体のことを指す。アストロスケールは、この宇宙ごみの除去や人工衛星の点検や修理など、さまざまな軌道上サービスの提供を目指して活動している。
同社は、軌道上サービスに必要不可欠な「対象物体に安全、精密に接近する」RPO(ランデブ・近傍運用)と呼ばれる技術の確立を目指し、2024年2月に初号機となる実証衛星「ADRAS-J」を打ち上げた。
以来、国産ロケット上段部分を対象として、遠距離からの接近、近距離での撮影、宇宙から50mの距離を維持しながらの周回観測、15mという極近傍までの接近、そして衝突回避機能の有効性実証などに成功してきた。「ADRAS-J」は運用を終了し、すでに5年以内に自然落下し再突入できる軌道まで高度を下げており、最終的に大気圏に再突入して燃え尽きる予定だという。

「ADRAS-J」では日本のロケット上段部分(全長11m、直径4m、重量3トン)を対象デブリとして技術実証を行なった。
アストロスケールは現在、「ADRAS-J」で接近・観測した宇宙ごみの除去に挑戦する「ADRAS-J2」ミッションを開始し、2027年度の打上げを目指して開発、試験に取り組んでいる。
この2号機で世界初の宇宙ごみ除去に成功できるのか、今後の動向にも要注目だ。

