ロケットの姿勢制御技術を検証
AstroXは、気球を用いてロケットを成層圏まで運び、空中からロケットを発射する「ロックーン方式(Rockoon方式)」を採用した衛星軌道投入ロケットの開発を進めている。

気球に発射ランチャーを取り付けて、空中からロケットを発射するのが「ロックーン方式」だ。
空中での発射は狙った軌道上にロケットを飛行させるための姿勢制御技術が重要となり、AstroXは、発射装置の姿勢制御技術とともに、発射後のロケットを姿勢制御するために推力方向を変えることができるTVC(Thrust Vector Control、推力方向制御)の開発にも取り組んでいる。
一般的に、ロケットの姿勢制御はノズルを傾けて行う「ノズルジンバル方式」が採用されているものの、この方式では技術の獲得に時間がかかってしまう。AstroXは早期のサブオービタル飛行を実現するために、まずは燃焼室自体を傾ける「チャンバジンバル方式」で研究を進めているそうだ。

上:ノズルが傾いている(一般的な方式:ノズルジンバル方式)
下:燃焼室が傾いている(今回の方式:チャンバジンバル方式)
今回の燃焼実験は、燃焼室を振ることで燃焼が不安定にならないか、TVC機構が振動するなどの不具合が起きないかの検証、また燃焼室を振る角度に対する推力の横方向成分との関係のデータ取得を目的として、AstroX、千葉工業大学、黒磯製作所、ソーワエンジニアリング、LifeTechRobotics、日油、ピー・マックスが共同研究、協力する形で行われた。
実験では、ガスハイブリッドロケットエンジンを8秒間燃焼している間、TVC装置を用いてロケットモータを「原点→+Y方向→+X方向→原点」の順に動かし、燃焼中のTVC装置の動作と推力偏向を確認できたという。

ガスハイブリッドロケットとTVC装置の外観。
今後、AstroXは実験成果を飛行中のロケットの姿勢制御設計に活用し、千葉工業大学は本試験で得られたデータを基に、TVC装置の応答性向上や推力偏向の追従性向上を図る方針だ。

