台湾の国家プロジェクトに日本企業が協力
ispaceは、2010年に創業した日本の宇宙スタートアップ。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、月への高頻度かつ低コストによる輸送サービスを提供することを目的として、小型のランダー(月面着陸船)やローバー(月面探査車)を開発している企業だ。
2022年に同社初となるミッション1ランダーを打ち上げ、2025年にはミッション2の打ち上げを実施。残念ながら両ミッションともに日本民間企業初となる月面着陸成功とはいかなかったものの、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能については実証できており、2027年に米国法人主導のミッション3にて、NASAの「アルテミス計画」に貢献する計画だという。

JAXA設備にて、環境試験を受けるシリーズ 3ランダー(仮称)の熱構造モデル(STM)。今後開発されるフライトモデルにTASAの「ベクトル磁力計及び紫外線望遠鏡」が積み込まれる予定だ。
一方、台湾国家宇宙センター(Taiwan Space Agency:TASA)は、2023年に再編された台湾の機関で、台湾内の宇宙空間にかかわる技術開発や宇宙産業の発展に向けた取り組みを進めている。
ispaceは、TASAと2024年12月に将来的な月面探査における戦略的対話を進めるための覚書を締結し、台湾による中長期的な月計画の構築を協議してきた。また、2025年1月に実施したミッション2では、台湾中央大学が開発した深宇宙放射線プローブ(探査機)を運搬物として搭載し、航行中に放射線環境の観測を行うなど、台湾の産学官との連携を強化している。
今回発表されたTASAの「ベクトル磁力計および紫外線望遠鏡」は、2028年打ち上げ予定のミッション4において、第二の運搬物として搭載される見込みだ。
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