スバルのEVラインナップは3車種に拡大。欧州では「E-アウトバック」も登場
2025年7月17日(米現地時間)、同18日(欧州現地時間)、相次いで発表されたスバルの新型EV「アンチャーテッド(UNCHARTED)」。トヨタがすでに発表している「C-HR+」と「C-HR」の兄妹車であることは明らかだ。EV開発におけるトヨタとスバルの協業は、「bZ4X」と「ソルテラ」に始まり、2025年4月にやはり相次いで発表された「トレイルシーカー」と「bZウッドランド」に拡大、さらに今回はC-HR(+)をベースにした「アンチャーテッド」が加わり、両ブランドは3車型を共有することになった。

2025年3月に発表された欧州仕様の「トヨタC-HR+」。

2025年5月に発表された北米仕様の「トヨタC-HR」。

2025年7月に欧米で相次いで発表された「スバル アンチャーテッド」。
「bZ4X」と「ソルテラ」は2025年後半にラージマイナーチェンジを実施し、内外装デザインだけでなく、航続距離や充電時間などEVとしての基本性能を大幅にアップ。日本では2025年秋、米国・欧州でも年内から11月に発売される。なお、米国内では2026モデルとして発売されるが車名が変更され「bZ」になる。

北米仕様はbZ4X改め「bZ」に車名変更する。日本での発売はソルテラと同じ頃か。

内外装だけでなくEV性能に磨きがかけられた新型「スバル ソルテラ」。日本では今年秋に発売開始。
一方、2025年4月時点でスバルが「トレイルシーカー」、トヨタが「bZウッドランド」をラインナップすることは明らかになっていた。北米市場での発売はともに2026年第一四半期とアナウンスされたが、欧州スバルの発表(7月18日)によれば、トレイルシーカーは「E-アウトバック(E-Outback)」と名付けられて北米と同時期に欧州でも発売が始まるという。
この3車(トレイルシーカー、bZウッドランド、E-アウトバック)は、現在改修中のスバル矢島工場で2026年2月前後から生産を開始すると見られている。日本でもソルテラの上位車種としてラインナップされる可能性は高い。

ソルテラの上位車種となる「トレイルシーカー」「E-アウトバック」は米欧で先行発売される模様。
対して発表されたばかりのスバル「アンチャーテッド」は、トヨタ「C-HR+(欧州:2025年)」と「C-HR(北米)」のスバル版という位置づけ。生産はトヨタが手がけ、2025年後半から欧州の一部で販売を開始し、2026年から各国での販売を拡大する。
C-HR、アンチャーテッドともに、現時点では日本市場の導入はまだ明言されていない。とはいえ、米国での発表会を取材したいくつかのメディアが、日本でも発売されると報じている。国内生産であることを考えれば、C-HR、アンチャーテッドともに日本導入が大いに期待される。
いずれにせよ、スバルとトヨタは2026年前半までに北米・欧州・日本で複数のEVを各々ラインナップすることは間違いない。新たな車名が増えるのでしばらくは混乱(?)するかもしれないが、基本的には3車型だ。その後、北米生産を予定しているトヨタの3列シートSUVにもスバル版が加わる予定だ(注:生産開始は2026年以降に延期されたが)。
欧州ではスズキ eビターラとトヨタ アーバンクルーザー。日本市場では・・・
スバルとともに、同じく提携関係にあるスズキとトヨタにも動きがあった。2025年3月に欧州で公開されたトヨタの新型コンパクトEV「アーバンクルーザー」の元ネタ(?)とも言える、スズキの「eビターラ」の国内発売が迫ってきた。こちらはスズキ独自開発のEVプラットフォームをベースに、トヨタの電動技術を採り入れて開発されたスズキ初の量産EVだ。そのトヨタ版が欧州専用車のアーバンクルーザーという位置づけだが、こちらは現時点で日本への導入可能性は低い。

2024年11月に欧州発表された「eビターラ」(写真は海外仕様)。インドで生産され日本では輸入車になる。

そのトヨタ版となる「bZウッドランド」は北米専売車と見られるが日本発売の可能性もゼロではない。
生産はインド西部のグジャラート州にあるスズキ・モーター・グジャラート(SMG)が担当。ここから、欧州向けにスズキ eビターラとトヨタ アーバンクルーザーが、そして日本市場向けにはeビターラが輸出される。
そろそろEV検討時期? 国産ブランドが一気に充実する2025年後半〜2026年
スバル、スズキともに、そのEVシフトのパートナーとして重要な役割を果たしているのがトヨタ。この3社だけでも、EVラインナップは一気に拡大する。さらにホンダからは「新型N-ONEベースEV」やその「派生の小型EVスポーツ」、そして初の本格SDVとなる「ゼロSUV」も登場。日産も「新型リーフ」の国内投入を控える。
ながらくEV後進国と揶揄され、国内ブランド車が限られていた日本のEV市場だが、その選択肢が急激に増えるわけだ。いままでEV導入をためらっていたひとも、そろそろ購入を検討してもいい時期になってきたと言えそうだ。




