高輪ゲートウェイシティに導入する意義
高輪ゲートウェイシティは、未来につながる新たなアイデアやソリューションを創造していく場として、JR東日本が再開発を進めてきたエリア。ここでは「環境」や「モビリティ」、「ヘルスケア」をテーマにしてさまざまな実証実験・研究開発が行われる。
今回のゲキダンイイノによる「iino」の導入もその一環で、同社は人とモビリティの共存を踏まえた移動体験を提供するため、実証実験から得られたデータをもとに走行ルートやインフォメーション機能の演出など、モビリティ導入設計を担当している。
高輪ゲートウェイシティのまちびらきにあたっては、5台の「iino」が導入され、ゲートウェイパークを中心に固定ルートを設定し、自由に乗り降りできる形式で運行されるという。
路線バスにも、ルート上であれば自由なタイミングで乗り降りできる「フリー乗降制」を導入するケースもあるが、iinoは「歩道を走る、3人乗りの自動運転車両になった」というイメージだとわかりやすいかもしれない。

好きなタイミングで乗り降りできるのも嬉しいポイントだ。
しかも利用料金はかからず、予約不要で利用できることから、はじめての人にも優しいモビリティサービスと言える。
また、ルートによっては音声ガイドで街を紹介しながら周遊してくれたり、おすすめの乗り方や遊び方のポイントを紹介してくれたりするので、「iino」を通じて高輪ゲートウェイシティの魅力をより深く感じることができるだろう。
この「移動体験」の演出という要素は、立ち乗り型のスローモビリティだからこそ味わえるもの。過去に同モデルの実証実験を取材した際にも、単なる移動手段としての枠組みを超えて、アトラクションとしての魅力を感じることができた。

2023年の実証実験では肩掛けスピーカーでBGM付きの音声ガイドが流された。立ち乗り×音の演出という組み合わせは移動体験の満足度を高めてくれる。
再開発で生まれた「高輪ゲートウェイシティ」の移動手段かつ案内役として、新時代のモビリティがどこまで貢献できるのか、今後の展開にも期待が高まる。
【iino運行概要】
走行場所:TAKANAWA GATEWAY CITY 2Fデッキ上 Gateway Park
走行時間:10:00〜20:00
利用方法:予約不要/無料
走行ルート:2025年3月時点は以下の2ルートを走行
Friendlyルート:おすすめの乗り方や遊び方を紹介しながら、iinoと仲良くなるルート
Dailyルート:好きな場所で乗降でき、音声ガイドで街を紹介しながら周遊するルート
備考:荒天やモビリティのメインテナンス、その他の理由により、予告なく運転を中止する場合がある。
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