クルマとバイクの要素を併せ持つ3輪自動車「トライク」
今回紹介する「I-Cargo」は配送事業向けに開発された一人乗りの3輪EVで、いわゆる「トライク」というジャンルに分類されるモビリティ。外観は街中を走る宅配ピザをはじめとするフードデリバリーサービスでよく見かける「バイクの後輪を1つ増やしたスクーター」にそっくりだが、二輪車免許ではなく普通自動車免許で運転できるのが大きな特徴となる。
そもそも「トライク(trike)」とは、「tri(トライ・3つの)」+「cycle(サイクル・車輪)」を組み合わせた「tricycle(トライシクル)」を短縮してできた略語だ。日本の交通環境においては、道路交通法で「普通自動車」に、道路運送車両法で「側車付軽二輪」に区分される車両を表している。
【トライクの主な要件】
・バイクのようなハンドルバー方式の舵取り装置を備えること
・三輪車であること
・またがり式の座席を備えること
・運転席の側方にドアはなく、開放されていること

1人乗りの配送バイクと似た外観をしているが、普通自動車免許で運転可能だ。
クルマとしての要素は「普通自動車免許が必要」という点と「ヘルメット着用義務がない」点が挙げられる。一方でバイクとしての要素は「シートベルト不要」、「車検不要」、「車庫証明不要」、「任意保険料がバイクと同額」になる点が挙げられ、バイクとクルマのいいとこ取りが狙えるニッチなジャンルと言えるだろう。
ちなみに、トライクと同じくバイクとクルマの両方の要素を兼ね備えたモビリティとして「ミニカー」という車両区分も存在している。主な違いとしては、ミニカーが原付一種の原動機を搭載しているのに対して、トライクは51cc以上250cc以下相当の原動機を搭載しているため、動力性能の観点ではトライクの方が上位の区分と考えることもできる。
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