2025年1月28日、アメリカの航空スタートアップ「Boom Supersonic(ブーム スーパーソニック/以下、ブーム)」が、超音速旅客機「Overture(オーバーチュア)」開発に向けた実証機「XB-1」にて初の超音速飛行に成功したと発表した。

21世紀版超音速機がまもなく登場

XB-1のテストフライトが行われているカリフォルニア州のモハーヴェ空港&宇宙港は、軍民問わず航空機の実験・開発拠点として運営されている。

かつて人類ではじめて水平飛行で音速の壁を突破した「X-1」やロケットエンジン搭載によりマッハ6.7を達成した世界最速の有人飛行機「X15」、さらに有人実用ジェット機として世界最速のマッハ3という記録を持つ「SR-71 ブラックバード」の初飛行が行われた地としても有名だ。

画像: Mojave(モハベ)空港&宇宙港は超音速機の聖地だ。(画像:Boom Supersonic)

Mojave(モハベ)空港&宇宙港は超音速機の聖地だ。(画像:Boom Supersonic)

そんな伝説の地で実施された今回のXB-1による試験飛行は、コンコルドが引退して以来、はじめて有人操縦による民間の超音速飛行となり、20年ぶりの超音速旅客機復活への道を切り開く大きな一歩だったと言えるだろう。

量産型のオーバーチュアは、乗客定員64~80人で、一般的なジェット旅客機の2倍の速度(マッハ1.7)での運航を目標に開発が進められており、アメリカン航空、ユナイテッド航空、日本航空の3社から130件の受注・予約注文を獲得しているという。

画像: オーバーチュア機内のイメージ図。(画像:Boom Supersonic)

オーバーチュア機内のイメージ図。(画像:Boom Supersonic)

ブームの創設者で同社CEOを務めるスコール氏は、超音速飛行のメリットをすべての人にもたらすことが目標だと語っている。21世紀の最新技術により、夢の超音速旅客機を一般大衆にも経験可能なものとできるのか、今後の動向にも要注目である。

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