2024年12月2日、国土交通省による特定小型原動機付自転車の保安基準適合性確認制度「性能等確認制度」合格モデル一覧が更新され、モービルジャパンの三輪電動スクーター「TK3E」が追加された。
※この記事はウェブサイト「webオートバイ」で2024年12月5日に公開されたものを一部編集し転載しています。

特定小型原付のメリットはシニアカーの上位互換になりうる点にある

免許返納者や足が不自由な方へ向けたモビリティとして、自転車やシニアカーなどの存在を挙げられることが多いが、さまざまな面で課題を抱えているのも事実である。

たとえば、自転車ならバランスをとりながら漕ぐための筋力が必要で、安定して走行するためにはある程度の速度を出さなくてはならない。また電動車椅子(シニアカー)は四輪により安定した走行を実現できるが、歩道走行に限定、速度も6km/hまでしか出せないなど、安定感と高速な移動を両立させることは難しい。

画像: スズキのシニアカー「セニアカー ET4D」。障害物検知センサーほか自動車のような安全装置を標準装備している。

スズキのシニアカー「セニアカー ET4D」。障害物検知センサーほか自動車のような安全装置を標準装備している。

一方、2023年に新設された特定小型原付は、正式名称「特定小型原動機付自転車」で、16歳以上対象の免許不要で走行可能な「①普通自転車サイズ、②最高速度20km/h以下」の電動モビリティだ。分類上、原付一種(エンジン車:50cc、EV:定格出力600W)の下位に位置付けられ、 “自転車とほぼ同じ交通ルールで走行可能なEV” ということになる。

ただし、走行可能な区域は車道に限定されている。歩道走行モードを搭載した一部のモデル「特例特定小型原動機付自転車」については、歩道走行モードに切り替えた上で、例外的に普通自転車が通行可能な歩道を、最高速度6km/h以下で走行できる。

画像: 特定小型原付には車輪数や車体形状の制約がないので、さまざまなモデルが展開されている。(左下のモデルは試作車)

特定小型原付には車輪数や車体形状の制約がないので、さまざまなモデルが展開されている。(左下のモデルは試作車)

つまり、3輪や4輪の特例特定小型原付であれば、普通自転車が走行可能な歩道は6km/h以下(シニアカーと同じ)で、車道なら20km/h以下で走行可能なモビリティとして、実質的にシニアカーの上位互換ということも可能になるわけだ。

ちなみに、特定小型原付には「性能等確認制度」という、国土交通省認定機関が保安基準に適合しているか公的に検証する制度があり、これに合格したモデルは、メーカー・確認機関の名称などが入った専用のステッカーが車体に貼られ、「保安基準を満たしていないモデル」と区別できる仕組みになっている。

画像: 性能等確認を受けたモデルにはそれを証明するステッカーが車体に貼られる。(画像:国土交通省公式サイト)

性能等確認を受けたモデルにはそれを証明するステッカーが車体に貼られる。(画像:国土交通省公式サイト)

要するに「きちんと特定小型原付の基準を満たしたというお墨付きをもらっているモデル」ということを表しており、性能等確認済みの製品は、スマートモビリティJPの特定小型原付リストや国土交通省の公式サイトにて一覧が公開されているので、特定小型原付の購入を検討する際にはぜひ参考にしていただきたい。

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画像: smart-mobility.jp
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