「駆けぬける歓び」を次の時代に。待望の第1弾がいよいよ量産試作を開始
世界中の自動車愛好家から支持されるBMWは、いち早く電動化に取り組んできたメーカーでもある。2014年に登場したEV/PHEV(レンジエクステンダー)の「i3」「i8」を覚えている方も多いだろう。現在は、ほぼすべてのセグメントに少なくとも1つのEVモデル「i〜」をラインナップしている。
そんなBMWがこれからも「駆けぬける歓び」をかなえていくべく、満を持して投入する次世代EVシリーズのコンセプトがノイエ・クラッセだ。ドイツ語で「新しいクラス」を意味し、かつて経営危機に陥ったBMWを救った伝説の名車「BMW1500(1961年発表)」開発時の社内呼称に由来する。
2023年9月に4ドアセダンのコンセプトモデル「ビジョン・ノイエ・クラッセ」が公開されたのは記憶に新しいが、そのSAV(=SUV)として翌2024年3月に発表されたのが「ビジョン・ノイエ・クラッセX」である。後者は2025年に量産が始まることが明らかにされており、先に公開された4ドアセダンはSUVモデルよりもやや遅れて発売されるとアナウンスされていた。
その後の動向に注目が集まっていたが、去る2024年11月20日(現地時間)には生産を担当するBMWグループ・プラントのデブレツェン工場(ハンガリー)にて、最初の量産試作車両がラインオフしたことが明らかにされた。
走行テスト用の車両とは異なり、こちらは量産車としての品質や生産工程の最終的な検証が目的。実際に量産ラインを稼働させて、BMWのバッジを付けるにふさわしい仕上がりになっているか、生産プロセスにおいて問題はないかを見極める作業だ。併せて生産に携わるメンバーのトレーニングも始まる。スムーズな量産立ち上げを期すべく、すべての開発作業が大詰めを迎えているのだ。
ノイエ・クラッセのシリーズは、BMWのEV戦略の要となる重要なモデル群だ。今回発表されたSUVモデルから始まり、2026年にはドイツ・ミュンヘンの工場でセダンの生産が開始されることもアナウンスされている。その後、メキシコ工場を始め世界各地にBMW工場で、SUV、セダン、それらの派生モデルが生産を開始する。