2024年11月18日、メルセデス・ベンツは新型CLAおよびその派生モデル(シューティングブレークとSUV)に採用される次世代パワートレーンの概略を発表した。EVが2タイプ、ハイブリッドが3タイプのラインナップとなり、2025年春にまずはセダンのEVモデルから発表される見込みだ。

メルセデスとして初物尽くしの次世代エントリーモデル

2025年早々の正式発表を控え、このところ新型CLAのティーザーが活発になっている。先日はCEO自らがテストコースでハンドルを握る動画がアップされたばかりだ。

すでに発表されているとおり、次世代CLAはSDV化を見据えたMMA (Mercedes-Benz Modular Architecture)と呼ばれる新世代スケートボード構造を初採用する。バッテリーケースが車体構造部品としての機能も併せ持つ、いわゆるセルツーシャシ(CTC)構造を採用したほか、ハードウェア/ソフトウェアのゾーンコントロールによるE/Eアーキテクチャーによって、SDV化を一気に進める。

eAxcel化されてコンパクトになったパワーユニット、完全電動モデル(EV)が2タイプ、ハイブリッド(HV)が3タイプ、それぞれラインナップされ、まずは完全電動モデルから発売が始まるようだ。

画像: CEO自らがハンドルを握りテストコースを走る動画も公開済み。DRL(デイタイム・ランニング・ライト)は“スリーポインテッドスター”であることも明らかに。

CEO自らがハンドルを握りテストコースを走る動画も公開済み。DRL(デイタイム・ランニング・ライト)は“スリーポインテッドスター”であることも明らかに。

EVの駆動方式は2タイプ、バッテリーも2種類用意

EVはリアアクスルに200kW(約272ps)のモーターを搭載する後輪駆動(RWD)が基本。さらにフロントアクスルに80kW(約109ps)のモーターを追加した全輪駆動の「4MATIC」もラインナップされる。フロントモーターは常時ではなく、あくまでブーストモードとして稼働するのが特徴だ。全輪駆動走行時にフロントアクスルで発生する効率損失を90%低減して、航続距離の延伸に貢献する。この機構は同社のエントリーセグメントでは初採用となる。

画像: 新開発の「MMA」アーキテクチャーを採用。後輪駆動をベースに前輪にもモーターを追加した「4MATIC」もラインナップする。

新開発の「MMA」アーキテクチャーを採用。後輪駆動をベースに前輪にもモーターを追加した「4MATIC」もラインナップする。

さらにEVのバッテリーパックは、メルセデス・ベンツが自社開発したNMCとLFPの2種類が用意される。上位グレードに搭載されるNMCは、エネルギー密度680Wh/Lで容量は85kWh。航続距離は750km(WLTP)だ。ベーシックグレードに搭載されるLFPは、エネルギー密度450Wh/Lで容量は58kWh(航続距離は未発表)。どちらも同社初となる800Vアーキテクチャーによるオペレーションを採用しており、320kWのDC超急速充電器に対応している。NMCならばおよそ10分以内で36kWhの充電が可能だという。

画像: バッテリーは2種類。エントリーグレードはLFP、上位グレードはNMC。どちらも320kW超急速充電器に対応。

バッテリーは2種類。エントリーグレードはLFP、上位グレードはNMC。どちらも320kW超急速充電器に対応。

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