2024年10月10日、テスラは当初計画より2カ月遅れて待望のロボタクシー「サイバーキャブ(Cybercab)」の公開イベントを開催する。厳格な情報管理で知られるテスラだが、イベント開催が迫るにつれさまざまなルートを通じて情報が漏れてきている。それらを整理しながら、10月10日への期待をまとめてみた。(タイトル写真はイメージ)

発表会場はハリウッドのワーナーブラザーススタジオ

当初、8月8日に予定されていたこのイベントは、その後、7月23日に開催された第2四半期の決算発表で「10月10日にロボタクシーのプロトタイプを公開する」と改められた。発表が延期されたことで、「will also show off “a couple of other things”(他にも発表できることが増えるかもしれない)」とイーロン・マスクCEOは期待を煽る。

そして、9月10日(現地時間)から同月17日まで、テスラの投資家向けサイト上でイベントの参加者が公募された。当選者および詳細は9月23日以降にメールで通知されるようだ。本稿執筆時点では、会場は“ロサンゼルス”と記されているだけだが、すでに複数のメディアが、会場はバーバンク/ハリウッドにある「ワーナーブラザーススタジオおよびその周辺(一部公道含む)」であると報じている。

ワーナースタジオはハリウッドの中心部に位置し、延べ110エーカー(東京ドームのおよそ8.8倍)という広大な敷地を有している。テスラは、その構内路やスタジオを使ってプレゼンテーションと(一部公道を含む)デモランを行うという。

画像: 「Tesla Investor Relation」に掲載されたイベント告知と参加希望者の応募要項。10月10日にロサンゼルスで開催されることを除き内容には一切触れられていない(9月19日時点)。

「Tesla Investor Relation」に掲載されたイベント告知と参加希望者の応募要項。10月10日にロサンゼルスで開催されることを除き内容には一切触れられていない(9月19日時点)。

車名は“サイバーキャブ”でほぼ決まり

さっそく本題に入ろう。まずは現在までに判明しているロボタクシーの概要からだ。

車名は「サイバーキャブ(Cybercab)」でほぼ決まりだ。これは4月下旬にある経済アナリストがイーロン・マスクCEOにリモートでインタビューした際に、CEOから直接引き出したものである。そのデザインモチーフはサイバートラックと多くを共有すると見られており、サイズは異なるが車名にそれが反映されても違和感はない。その名のとおり配車サービス専用車であり、オーナー向けには販売されない点に留意しておきたい。

画像: サイバーキャブのハンドルのない2シーターキャビンのスケッチ。

サイバーキャブのハンドルのない2シーターキャビンのスケッチ。

画像: 以前公開されたパッケージ検討用モックアップ。

以前公開されたパッケージ検討用モックアップ。

また、それに先立つ3月20日に開催された年次株主総会では、プレゼンテーション映像の中でほんの一瞬ではあるが、サイバーキャブのインテリアスケッチとボディの一部が映し出された。ずいぶん前に公開されたパッケージ検討用モックアップはやはり完全な2シーターでステアリングホイールはなかったが、今回の映像では一瞬ながら、改めてそれとの関連性を裏付けた。熱心なテスラファンがこれを見逃すはずはなく、SNSを通じて世界中に拡散された。

画像: リアバンパー周辺と思われるクローズアップはサイバートラックによく似たデザインが採用されている。

リアバンパー周辺と思われるクローズアップはサイバートラックによく似たデザインが採用されている。

さらに2024年7月には、車両はギガテキサス(テキサス州オースティンの工場)で「アンボックストプロセス(Unboxed Process)」を採用して製造されると公式発表されている。つまり、完全な新プラットフォームを採用し、T型フォード以来連綿と続く長大な生産ラインとの決別だ。

画像: 3つの基本モジュールや外装パーツを別々にほぼ完成に近い状態に仕上げたのちに一体化して組み上げる「アンボクストプロセス」。

3つの基本モジュールや外装パーツを別々にほぼ完成に近い状態に仕上げたのちに一体化して組み上げる「アンボクストプロセス」。

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