発表会場はハリウッドのワーナーブラザーススタジオ
当初、8月8日に予定されていたこのイベントは、その後、7月23日に開催された第2四半期の決算発表で「10月10日にロボタクシーのプロトタイプを公開する」と改められた。発表が延期されたことで、「will also show off “a couple of other things”(他にも発表できることが増えるかもしれない)」とイーロン・マスクCEOは期待を煽る。
そして、9月10日(現地時間)から同月17日まで、テスラの投資家向けサイト上でイベントの参加者が公募された。当選者および詳細は9月23日以降にメールで通知されるようだ。本稿執筆時点では、会場は“ロサンゼルス”と記されているだけだが、すでに複数のメディアが、会場はバーバンク/ハリウッドにある「ワーナーブラザーススタジオおよびその周辺(一部公道含む)」であると報じている。
ワーナースタジオはハリウッドの中心部に位置し、延べ110エーカー(東京ドームのおよそ8.8倍)という広大な敷地を有している。テスラは、その構内路やスタジオを使ってプレゼンテーションと(一部公道を含む)デモランを行うという。
車名は“サイバーキャブ”でほぼ決まり
さっそく本題に入ろう。まずは現在までに判明しているロボタクシーの概要からだ。
車名は「サイバーキャブ(Cybercab)」でほぼ決まりだ。これは4月下旬にある経済アナリストがイーロン・マスクCEOにリモートでインタビューした際に、CEOから直接引き出したものである。そのデザインモチーフはサイバートラックと多くを共有すると見られており、サイズは異なるが車名にそれが反映されても違和感はない。その名のとおり配車サービス専用車であり、オーナー向けには販売されない点に留意しておきたい。
また、それに先立つ3月20日に開催された年次株主総会では、プレゼンテーション映像の中でほんの一瞬ではあるが、サイバーキャブのインテリアスケッチとボディの一部が映し出された。ずいぶん前に公開されたパッケージ検討用モックアップはやはり完全な2シーターでステアリングホイールはなかったが、今回の映像では一瞬ながら、改めてそれとの関連性を裏付けた。熱心なテスラファンがこれを見逃すはずはなく、SNSを通じて世界中に拡散された。
さらに2024年7月には、車両はギガテキサス(テキサス州オースティンの工場)で「アンボックストプロセス(Unboxed Process)」を採用して製造されると公式発表されている。つまり、完全な新プラットフォームを採用し、T型フォード以来連綿と続く長大な生産ラインとの決別だ。