2024年6月28日から始まった2024年釜山モビリティショーで、ヒョンデがSUVのEV、「インスター(Inster)」を初披露した。欧州Aセグメントに該当し、日本の軽自動車よりもわずかに大きなサブコンパクトサイズ。今夏に韓国で発売開始され、欧州、中東、アジア太平洋地域で順次発売を予定している。

「軽自動車以上、Bセグ未満」のフル電動SUV

小さなEVといえば日本では軽EV、つまり日産サクラと三菱eKクロスEV、そして商用軽の三菱ミニキャブEVの3車を思い浮かべる。今年10月にはホンダのN-VAN e:が新たなプレイヤーとして加わる。2023年度の国内EVの販売実績は、普通乗用EVがおよそ4万4000台、軽EV(商用車含む)が同じく4万7000台ほど。2023年度に該当する軽EVは上記3車種しかないことを考えれば、日本のEVシフトは軽EVが担っていることがよくわかる。手ごろな価格や、コンパクトで狭い道も苦にならない使い勝手の良さなどが評価された結果だろう。

そこで注目したいのが、ヒョンデが6月28日に開幕した2024年釜山モビリティショーで発表した「インスター(Inster)」の存在だ。全長3825×全幅1610×全高1575mm、ホイールベースは2660mm。軽自動車より大きいものの、見た目のサイズ感はスズキのジムニーシエラよりも小さい(シエラは全長3550×全幅1646×全高1730mm)。ちなみに軽自動車枠は、全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高は2000mm以下である。

画像: 軽自動車よりわずかに大きい「インスター」。都会型SUVとして韓国、欧州、中東、アジア太平洋地域で発売。

軽自動車よりわずかに大きい「インスター」。都会型SUVとして韓国、欧州、中東、アジア太平洋地域で発売。

まもなく韓国で発売を開始、追って欧州、中東、アジア太平洋で発売するグローバルモデルである。公式発表はまだないものの、日本上陸の可能性はかなり高そうだ。

小さいながらも軽EVとは一線を画す航続距離

都市部での使用をメインに考えられたインスターの駆動方式は前輪駆動のみ。モーター出力はスタンダードが71.1kW(97ps)/147Nm、ロングレンジが84.5kW(115ps)/147Nmと発表された。組み合わされるバッテリーは、前者が42kWh、後者が49kW。航続距離は300km+α、355km(欧州仕様:WLTPモード)となっている。

画像: シティユースを前提に開発されているが、大きめのバッテリーを搭載することで中 〜長距離走行もこなす。

シティユースを前提に開発されているが、大きめのバッテリーを搭載することで中 〜長距離走行もこなす。

同クラスの軽EV、つまり日産サクラや三菱eKクロスEV、そしてホンダN-VAN e:と比べると、サイズこそ近いがその開発意図がまったく異なることがわかる。

<日産サクラ/三菱eKクロスEV>
バッテリー容量:20kWh
航続距離:180km(WLTC)

<ホンダN-VAN e:>
バッテリー容量:29.6kWh
航続距離:245km(WLTC)

<ヒョンデ インスター(スタンダード)>
バッテリー容量:42kWh
航続距離:300km以上(WLTP)

既存の軽EVは、あくまで日常使いや業務配送(そしてコストバランスも)を重視してバッテリー容量や航続距離は控えめに設定している。対してインスターは中〜長距離走行もこなせる“コンパクトカー”としての立ち位置を明確に打ち出している。充電能力も高く、120kW出力の急速充電器を使用すれば、スタンダードでもおよそ30分で10%→80%まで充電可能だ。普通充電も11kWに対応している。

画像: 高い充電性能と長い航続距離を実現することで軽EVとは違ったEVライフを体験できそうだ。

高い充電性能と長い航続距離を実現することで軽EVとは違ったEVライフを体験できそうだ。

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