バッテリーリサイクルの観点から事業者向けに販売
従来エンジンを搭載して稼働させてきたバイクや、船外機による小型船舶、小型ショベルカーなどコンパクトなモビリティの電動化がさまざまな分野で進んでいる。
ここで挙げた3つはすでにホンダが事業化を進めており、ベンリィe:やEM1 e:などの電動バイクはすでに一般販売され、小型船舶向け電動推進機プロトタイプは遊覧船による実証実験を実施、建機メーカーのコマツと共同開発したマイクロショベルカーのPC01EやPC05Eもすでに販売されている。
その動力源はホンダが開発した着脱式可搬のリチウムイオン電池「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパックe:)」で共通し、高さ約30cmの直方体で重さ約10kgのバッテリー(容量:約1.3kWh)をひとつ、もしくは複数組み合わせて搭載することで稼働する。つまりモバイルパワーパックは汎用といえるほど拡張性が高く、さまざまな機器に必要な数だけ搭載させられるわけだ。
今回、ホンダはモバイルパワーパックの新たな用途となる「Honda Power Pod e:(パワーポッドe:)」を発売した。
これはモバイルパワーパック1基を内蔵してポータブル電源として活用することのできるもので、最大出力2000W(定格出力1500W)としてACの出力口をふたつ、USB端子(Type-A)をふたつ用意して、アウトドアや車内リモートワークの電源、停電や災害時の非常用電源、電動工具の充電電源、屋外ロケ撮影の映像機器用など、プライベートから業務用までさまざまなシーンでの活用が見込まれる。
モバイルパワーパックを複数用意しておけば充電切れの心配も減ることだろう。またインバーター発電機や蓄電機を、専用コード(別売り)で並列接続して運転させるという使い方もできる。
エンジンを搭載する発電機のように排出ガスや騒音を発生させないため、周囲への環境に配慮しなくてはならないようなシーンでの活躍が期待される。
モバイルパワーパック(10万8900円)別売りで、パワーポッドe:の本体価格は24万6400円。ただし一般向けの販売は行なっておらず、バッテリーリサイクルに協力できる事業者(法人・個人事業主)向けに、専用サイトでの販売に限定されるという。