都市部型よりも導入の負担が増える代わりに集客力アップを図れる
LUUPは電動キックボードや電動アシスト自転車等の電動マイクロモビリティのシェアリングサービスとして、仙台・宇都宮・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡の計10都市で事業展開しており、ポート数の合計は8100カ所を超えるなど、都市部の交通インフラとして着実に発展を遂げてきた。
こうした“都市型サービス”では、運営事業者はポートの設置場所を提供することで、導入費用ゼロ、かつポートの設置作業や電動モビリティの充電などのオペレーションもLuup側が行い、導入事業者はユーザーの利用料金の一部を得ることができる仕組みで運用されている。
ただし、これらはすべて、ある程度の人口を抱えた”都市部”であり、公共交通機関が限られる地域への本格導入を求める声が多数寄せられていたという。
そこで、2023年7月の道路交通法改正以降、1年間にわたり北海道美瑛町、栃木県芳賀町など全国20カ所以上の地域での実証実験を行い、駅から観光スポット、観光スポット間の移動に加え、地域住民や施設従業員の移動ニーズにも応えられる手応えを得られたことで、本格的なサービス提供を開始することになった。
今回の「LUUP for Community」では、Luupは車両メンテナンスや修理、サービスの基本機能などの提供に専念。運営主体となる自治体・企業・団体に導入費用を負担してもらい、バッテリー充電などのオペレーションも各事業者が担うというシステムにすることでLuup側のコストを抑え、全国展開が可能になった。
都市部と比べ導入・運営コストは上がっているものの、各地域の利用用途に合わせた料金設定ができ、イベント時限定の短期導入や積雪の時期はサービスを一時停止するなどといった柔軟な運営が可能であるため、事業者側にもメリットが期待できる。
ちなみに、前述した既存の10都市エリアでの新規導入では、引き続きLUUPが導入費用や充電オペレーション等を負担する“都市型システム”が継続され、それ以外の地域にて「LUUP for Community」が展開されることになるという。