水素/バイオ燃料のハイブリッド型電気推進船
ハナリアは水素燃料電池もしくはバイオディーゼル燃料発電から動作モードを選択して航行する次世代電動旅客船だ。旧来の化石燃料で動く船と比較してCO2排出量を53〜100%削減することが可能になるという。
全長約33m、全幅約10m、喫水は約1.4mで総トン数は238トン。乗船定員は100名。およそ10.5ノットで航海できる。船体は商船三井グループの商船三井テクノトレード株式会社などが出資する株式会社MOTENA-Seaが発注し、本瓦造船株式会社が建造した。
![画像: 水素とバイオ燃料のハイブリッド発電。振動や騒音を抑え快適なクルーズを楽しめる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/05/10/de0b13deb8a92d3705346df98adb9e860642787f_xlarge.jpg)
水素とバイオ燃料のハイブリッド発電。振動や騒音を抑え快適なクルーズを楽しめる。
旅客船を電動化するメリットは、カーボンニュートラルへの貢献はもちろんだが、エンジンの騒音や振動を大幅に軽減して優雅なクルーズを楽しませてくれるところにある。
現状、水素だけではコストや航続距離に課題を残すため(それでも半日ほどの運行が可能)、バイオディーゼル燃料によって発電するハイブリッドシステムを併用することで1日に必要な航続距離を担保しているという。
![画像: 水素タンク16本(水素150kg相当)を積載。水素だけでもおよそ半日の航行が可能だ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/05/10/ad8c6fea1c6016faf19a08f63d7f96e0e9b9f6f8_xlarge.jpg)
水素タンク16本(水素150kg相当)を積載。水素だけでもおよそ半日の航行が可能だ。
客室は2階建てになっており、1階のフロアキャビンには前方に98インチの大型モニターとプロジェクターが設置されており、さまざまなイベントや会議の会場としての使用も可能。輸送や観光以外にもさまざまな用途を考慮している。また2階フロアは風を感じながらクルージングが楽しめるオープンデッキ構造になっている。
![画像: 1階のフロアキャビンには98インチの大型モニターも設置されており、会議やセミナーなどの開催も可能だ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/05/10/0d2b5530f830f6c2d2d272c3556213be333a572d_xlarge.jpg)
1階のフロアキャビンには98インチの大型モニターも設置されており、会議やセミナーなどの開催も可能だ。
![画像: 2階はオープンデッキ構造。潮風にあたりながら絶景を楽しむことができる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/05/10/e5115a4c05d0daa4d5872ccf07e0abc5236e7aa3_xlarge.jpg)
2階はオープンデッキ構造。潮風にあたりながら絶景を楽しむことができる。
4月10日より始まった営業開始キャンペーン期間も終了。5月10日より通常運行が始まり、併せて通常料金が採用された。主なクルーズメニューおよび料金は以下のとおり。※税込み1名・大人1名につき未就学児1名無料
・洋上参拝クルーズ:6000円(繁忙期:7000円)
・関門海峡クルーズ(昼):3000円(繁忙期:4000円)
・関門海峡クルーズ(夕):4000円(繁忙期:5000円)
・壇ノ浦ショートクルーズ:2500円(繁忙期:3000円)
・海峡サンセットクルーズ:7000円(繁忙期:8000円)
・小倉サンセットクルーズ:7000円(繁忙期:8000円)
陸上交通では、バスやトラックを始め水素を活用するロードマップも見えてきた。一方、海上での活用は未知数ではある。「ハナリア」の登場で、海上交通での水素活用が加速していくのかも知れない。