エンジンとモーターの出力差により区別される
エンジンとモーターの力をミックスする方法については、様々な呼び名があります。もっとも有名なのは、シリーズ方式とパラレル方式でしょう。これは、駆動する機構に注目した呼び方の区分です。
シリーズ方式はモーターが駆動して、エンジンは発電に徹しています。一方、パラレル方式はエンジンとモーターの両方が、駆動するタイヤにつながっています。
そして、走行状況によってシリーズ方式とパラレル方式を使い分けるのが、シリーズ・パラレル方式となります。最近の日本車の多くは、シリーズ式、もしくはシリーズ・パラレル方式を採用しています。
また、駆動の担当ではなく、駆動する力の大きさに注目した呼び方の区分もあります。それがストロングハイブリッド、マイルドハイブリッド、マイクロハイブリッドといった呼び方です。
これはエンジン出力とモーター出力の大きさの差に注目した呼び方です。エンジン出力と同じくらい強いモーター出力を持つハイブリッドシステムをストロングハイブリッドと呼びます。
エンジンに対して、モーター出力の小さなものがマイルドハイブリッド。そしてモーター出力が、ごくわずかなものをマイクロハイブリッドと呼びます。ただし、ストロングとマイルド、マイクロの明確な線引きは存在しません。あくまでも目安と言える呼び方となります。
ちなみに具体例を挙げれば、ストロングハイブリッドは、トヨタの「プリウス」や、ホンダの「シビックe:HEV」、日産「ノート」などが該当します。マイルドハイブリッドはメルセデスベンツなど欧州車に多い48Vマイルドハイブリッド、マツダCX-60 XDハイブリッドもこれに該当します。マイクロハイブリッドは、スズキの軽自動車に採用される「Sエネチャージ」などが該当します。
●著者プロフィール
鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。