公共交通機関のカーボンニュートラル化でサステナ社会を目指す
2024年4月1日から、小田急グループは運行する全路線で、駅や信号機、踏切等を含む列車運行の全電力が、再生可能エネルギー由来の電力によってまかなわれることになる。
具体的には、東京電力エナジーパートナー株式会社による、実質的にCO2排出量ゼロとなる「太陽光・風力・水力等」の再生可能エネルギーにより発電した電気が供給される「グリーンベーシックプラン(FIT非化石証書)」 と「環境価値付料金(グリーン電力証書)」が導入される。
これにより、年間約15万6000トン(一般家庭の約60,700世帯相当)のCO2排出量が実質ゼロとなる見込みで、バス事業でも保有台数の約15%にあたるおよそ500台のEVバスを、国や自治体の補助を活用しながら2030年度までに導入していくとしている。
小田急グループはこれまでも、車両の省エネ化をはじめとした設備面からのマイカーに対する環境優位性の発信とMaaSによるストレスフリーな移動の提供などを通じて、公共交通利用の促進を進めてきた。
また、今回の使用電力変更に併せて、カーボンニュートラルに向けた取り組みを表すシンボルマークを新設、小田急線の車体等へ掲出することで、公共交通を利用してもらう機会を増やし、さらなるCO2排出量の削減を目指していくそうだ。
商業施設も含めたグループ全体のCO2削減
公共交通機関だけでなく、「ViNA GARDENS OFFICE」をはじめとした海老名エリアの小田急グループ商業施設等から排出する食品廃棄物を、焼却ごみとせずにリサイクルする試みも行われる。
ここでは、食品廃棄物をリサイクル施設にて飼料化し、飼料にできない部分をバイオマス燃料に変換し発電することで、小田急電鉄の海老名本社における使用電力の一部とされるそうだ。
小田急グループは、こうしたグループ企業全体でカーボンニュートラル化を推進することで、2050年にCO2排出量実質ゼロを目指している。
今回の運行電力の100%再生エネルギー化やEVバスの導入、リサイクルなどの各取り組みは、今後ますます重要になっていくことだろう。