2024年3月21日、BMW AGはEVのコンセプトカー「ビジョン ノイエクラッセ X(BMW Vision Neue Klasse X)」を公開した。この新たなアーキテクチャーを採用した電動モデルシリーズは2025年から市販モデルの生産を開始するという。

広大なガラス面に覆われた明るいインテリア

ノイエクラッセ(neue klasse)とは「新しいクラス」を意味するドイツ語で、BMWにとっては1950年代の経営危機を救ったモデルでもある。当時小型車と大型車しかラインナップしていなかったBMWが、市場規模の拡大を予測されていた中型車市場に満を持して1963年に投入したのがBMW 1800であり、のちにノイエクラッセと呼ばれるとともに大成功をおさめた伝説的なモデルだ。

その発売から60年後にあたる2023年9月、電動化時代にあるBMWが次なる新しいクラスとして公開したコンセプトカーが「ビジョン ノイエクラッセ」だった。高効率のモーターパワートレーンや、密度を高められた新開発のバッテリーセルなどを搭載してエネルギー効率を高めるとともに、リサイクルできる原材料を取り入れるなど循環型経済の実現に向けた提案を行なった次世代コンパクトセダンのコンセプトモデルである。

そして今回、このコンセプトをSUVとした「ビジョン ノイエクラッセ X」を新たに公開した。ビジョン ノイエクラッセが未来のコンパクトセダンを示したのと同様に、このモデルはBMWのSUVである「X」モデルの未来を描いているという。

画像: 立体感を持たせるように幾重にも重ねられたフロントマスクのLEDライト類。

立体感を持たせるように幾重にも重ねられたフロントマスクのLEDライト類。

縦に細長くデザインされたキドニーグリルのフレームはLEDライトで縁どりされ、その両サイドには翼のように横へ長く伸びるヘッドライトユニットが配置、奥行き感を演出する光源を内蔵してBMWの新たな象徴的デザインを構成している。こうしたライト類はドライバーがクルマに近づくことで起動、インテリアのアンビエントライト点灯へとつながるのだという。

コクピットは平行四辺形のようなセンターディスプレイと、フロントガラス下の全幅で速度や走行可能距離などのインフォメーションを表示するBMWパノラミックビジョン、そして上下2本スポークの特徴的デザインを採用したステアリングホイールで構成され、パノラミックガラスルーフによって明るい室内空間を演出している。

画像: 物理ボタンがほとんどないシンプルなデザインだが、菱形ディスプレイやハンドルデザインが個性を主張する。

物理ボタンがほとんどないシンプルなデザインだが、菱形ディスプレイやハンドルデザインが個性を主張する。

パワートレーンはセダンのノイエクラッセと同様に第6世代BMW eDriveテクノロジーを採用する。従来の角形バッテリーよりも、体積エネルギー密度を20%向上させた円形リチウムイオンバッテリーを搭載。空力性能の最適化、新しいタイヤやブレーキシステムの採用などにより航続可能距離は最大30%延び、また800Vシステムと組み合わせることで300km走行分の充電に必要な時間はわずか10分程度だという。

リサイクル分野においては、100%植物と鉱物由来の原料でつくられるサーフェス素材をインテリアのために開発。ドアトリムやセンターコンソールなどに配置される。このほかにも、海洋プラスチックや廃棄漁網などのリサイクル素材が30%を占めるという。もちろんインテリア素材だけではなく、サイドスカートや前後バンパーなどエクステリアでも広範囲に採用されて、循環型ビジネス実現に向けてデザインされた。

ビジョンノイエクラッセのセダンもSUVもあくまでコンセプトカーであるが、市販モデルへと進化した同シリーズは、化石燃料以外のエネルギーで稼働するハンガリーのデブレツェン工場で、2025年から生産に入るとしている。

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